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気が付いたら、ボクたちは異世界に来ていたんだ。
しかも……分裂して。
序章
「……なに、ここ?」
ボクの口から出た言葉はこれだった。
だってさ、目が覚めたら見たことない景色が広がっているんだから。
普通はこんな風に言うよね…?
「というか、なんでボクたち分裂してるんだろうね」
「知らないぜ……というかオレが聞きたい」
うん。
これも謎、だよね。
だってボクたちは二心同体だったはず。何がどうなっているのか分からないままだけど……
「……この…ふぉ…?」
「でも、たし……!」
あれ、誰かが来るみたい。
「もうひとりのボク、」
「ちょうどいいぜ。ここが何処だか聞いてみよう」
と、がさがさと草を分けて現れたのは三人組の男女だった。
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