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「な、なんだ!?」
「すげぇ爆発音だったぞ!」
「とにかく、行ってみよう!!」

遊戯の言葉を合図に全員が爆発音のなった方へ走り出した。ヴァロンは彼らの後ろ姿を見送るだけだった。




























爆発音にほど近い付近に、遊戯たちをアメリカへと渡らせる原因を作った男……ダーツが立っていた。

「な、あいつ!」
『相棒!オレが出る!!』

闇遊戯がそう告げると千年パズルが光り、遊戯と闇遊戯の人格が入れ替わっていた。

「待っていましたよ。名も無きファラオ…」
「何が待っていた、だ!貴様が奪った神のカードを返せ!」
「言ったはずだ。神のカードは我々に必要なものだと……」

何を話しても無駄。
そう悟った闇遊戯は実力行使で神のカードを取り戻そうと思ったが、何故かそれが出来なかった。
頭の中で嫌な鐘の音が響いていた。

「さて、私の目的はただひとつ。お前たちの魂を奪うこと。デュエルを始めましょう……」


──闇のデュエルを…

「相手は……刹那・F・セイエイ、お前だ」
「な、」
「やめろ!オレが相手になってやる!!」
(刹那に闇のデュエルをやらせてはダメだ……!)

ダーツの言い出したことに焦りを覚えた。
刹那は闇のデュエルを話に聞いたことしか知らない。つまり、闇のデュエルがもたらす結果もその痛みもどれ程のものか知らないのだから。

「……わかった。オレが相手をする」
「「「刹那!?」」」
「大丈夫だ。心配はいらない」

刹那は自らの腕にデュエルディスクを装着し、ダーツの方へ歩みだした。

「ふふ……」
(これで我々の、私の計画が加速する…!)
「さぁ、始めよう…」

お互いに自分のデッキをシャッフルしセットした。
デュエルディスクの電子版が青白く光る。

「「デュエル!!」」

刹那 LP4000
ダーツ LP4000

「先攻はオレだ」
「…刹那」

刹那の背中を心配そうに見つめるロックオン。ガンダムに乗っているときもそうだったが、やはり彼のことは気になる。

(暴走しなければいいが…)

「ダークソードマンを攻撃表示で召喚」

ダークソードマン
攻撃力1500

「さらにこのモンスターの効果により、デッキから暗黒天使(ダークネス・エンジェル)を守備表示で特殊召喚」

暗黒天使(ダークネス・エンジェル)
守備力1900

「……カードを2枚伏せてターンエンド」

刹那 LP4000
手札 3枚
伏せ 2枚
モンスター
ダークソードマン
暗黒天使(ダークネス・エンジェル)

「…私のターン、手札からフィールド魔法発動」
「な、なんだ…禍々しい力は…」
『十代!あのカードは危険だよ』

辺りが重苦しい圧力に包まれ、息苦しく感じられた。
特に、ダーツと戦う刹那は。

「漆黒の闇より生まれしカードよ。その力を解放せよ!オレイカルコスの結界!!」

「な、なんだ、この風圧は!?」
「うわぁあぁぁぁぁっ!」

オレイカルコスの結界が刹那とダーツを囲んだ。
近くにいた闇遊戯たちは、見えない風圧に吹き飛ばされた。

「ロックオン!アレルヤ、ティエリア!みんな!」

刹那は吹き飛ばされた闇遊戯たちのもとに駆け寄ろうとしたが、見えない壁に阻まれた。
その衝撃でしりもちをついてしまった。
刹那には、何が起こったかわからなかった。

「……な、なんだ…」
「オレイカルコスの結界は決着がつくまで出ることは許されない。そして…敗者はその魂を封印される…」
(こいつ、何、言っているんだ……!!)

ダーツの言葉は吹き飛ばされた闇遊戯たちにも届いていた。

「く…」
「ユベルが言っていたのことは、これだったのか…」
「せ、刹那は…」
「今は…刹那が勝つことを祈るしかない……」
「遊星……」

ロックオンの肩を軽く叩き、遊星はそう言葉をつむいだ。


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