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「着いてこいって、言っているのか?」
「今、手がかりは他にはない。追うべきだ」
「そうだね。行こう!!」

3人はクリボーの後を追った。
曲がりくねった通路、何度も上り下りした階段。
心の部屋のためか疲れは感じなかった。
しかし、入り口からは随分と離れてしまっていた。

《クリクリ〜》
「ここ、は…」
「さっきのモンスターは…」
「開けるぞ」

扉の奥へ行ったクリボーを追うため、闇遊戯は扉を開けた。
するとそこは、白と黒の世界だった。
静かな、世界。

「オレの部屋に、こんな場所があったなんて」
「白と黒…」

──助けて、助けて!!

「また、この声…」
《クリ、クリクリ〜!》
「あ、いた!」
「っ、待て!」
「あ、刹那!」

クリボーを見つけた刹那は、追いかけ始めた。
それを慌てて追う、遊戯と闇遊戯。

「くそっ、待て!」
「刹那、は、速い…ぜ」
「待って!刹那くん、クリボー!」
《クリ〜》

角を曲がったクリボーを追って、同じように角を曲がった3人。
クリボーを追いかけていたはずが……



















「「「うわぁぁぁぁぁぁ!」」」

通路が途切れていたのか、落ちた。
それはもう、漫画にあるような落ち方だった。

「ちょ、ボクたち落ちてるよぉぉ!」
「あ、あああ相棒、落ち着け!まず、オレと手を繋いで……!」
「お前がいちばん落ち着け!!」

落ちながらも、見事な(?)コントを繰り広げていた。

「ちょっと、下を見てよ!」
「あれは、」
「城…」
「それにあの黒い太陽みたいなもの……凄く、怖い」

──こっちに来て!

心の部屋で聞こえた声が、また聞こえた。
その声に導かれるように、城のなかへ入っていった。



















「これ…」
「ドラゴン…?」
「でも、凍ってる。何かに封印されているみたいだ」

──そうです。この竜たちは封印された、名も無き竜たち……

声が聞こえた方へ向くと、ひとりの少女がそこに立っていた。

「君は……」
「ブラック・マジシャン・ガール…」

立っていたのはブラック・マジシャン・ガールだった。
彼女は、デュエルモンスターズの精霊だ。

「マスター、来てくれてありがとう。それと、刹那さんも……」
「君がボクらを呼んだの?」
「はい…今、デュエルモンスターズの世界とマスターたちの世界。そのバランスが崩れ、大変なことが起ころうとしています」
「大変なこと…」

刹那はブラック・マジシャン・ガールの言葉を復唱し、彼女は頷いた。

「そう。あの黒い太陽を作り出した者が、私たちの世界とマスターたちの世界を…」
「それは、神のカードが奪われたのと関係があるのか!?」
「たぶん…関係あると思います。私の仲間も、今はこれだけ……」

彼女が手を向けた方向には、確かにデュエルモンスターズの精霊がいた。
だが、彼女の言うようにごく僅かだった。

「他の仲間は、あの黒い太陽に……お願いです!マスターたちの力で、世界を救ってください!」
「……大体の理由はわかった。だが、あの黒い太陽…いや、ダーツにはどうやって立ち向かう?」

刹那の質問は最もだった。
ただでさえ一度対峙している彼らにとって、どのように立ち向かうのかが、最大の課題だった。


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