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「ソラン」
「なぁに、お母さん?」
「今日はね、ソランの誕生日なのよ?」
「誕生、日?」
「そうよ。誕生日はね、生まれたことを祝うの」
「お祝い?僕が生まれたことを?」
「誕生日おめでとう、ソラン。生まれてきてくれてありがとう……」
「…あ、ありがとう、お母さん……」













































「……んぅ」

久しぶりに夢を見た気がする。
……幼いころの、夢。

「なんで今頃……」

そういえば、今日はミッションがある日。
急がないと…ティエリアがうるさい。
あと、ロックオンも押しかけてくる。プライベートもへったくれもない。

「……そういえば、今日、」

4月7日。
オレの誕生日。

でも関係ない。
“ソラン・イブラヒム”の名は捨てた。
今のオレは“刹那・F・セイエイ”で、ソレスタルビーイングのガンダムマイスターだから。
ミッションプランはすべて頭にたたき込んである。
あとは、実行するだけ。

「今回のミッションが終われば、しばらく休みになるから。みんな、頑張ってちょうだい」
「それなりにやらせてもらうとするか。な、相棒」
『ソレナリニ、ソレナリニ!』
「僕は徹底的にやらせていただく」
「あまり、やりすぎるのもダメだよ?」
「…アレルヤ、やりすぎってどれくらいだ?」
「……どれくらいだろ?」
「なんだ、この癒し系は?」
「さぁ、ミッション始めるわよ!!」


『エクシア、カタパルトデッキへ移行。』
「GNドライヴリポーズ解除。プライオリティを刹那・F・セイエイへ」
『射出準備完了。射出タイミングをエクシアへ譲渡』
「了解。エクシア、刹那・F・セイエイ、出る」

最近ミッションばかりだったから、早く休みが欲しい。
さすがに限界だ。
というか、ガンプラ作りたい……

『みんな、お疲れ様。着替えたらすぐに食堂に集まって。あ、刹那は先にイアンのところに行ってね』

イアン・ヴァスティの所へ?
エクシアに何か問題でもあったのだろうか?
着替えは後にして、イアン・ヴァスティの所に行くか……









「お、来たか」
「何故オレを呼んだ?」
「いや、少し気になったんだが、最近GNソードに傷が目立ってるんだ。それで切れ味に問題が無いかと思ってな」
「……特に問題はないと思うが…」
「そうか。一応GNソードも再整備しておくからな。あと、気になることは……」
「特にない」
「わかった。悪かったな。我らが戦術予報士が集まれと言ってんのに」
「問題ない。整備……頼む」
「わかってるさ。ほら早く行け」

さすが整備士だな。
細かいことまで気にしてくれる。
安心して出撃出来るのは、イアン・ヴァスティのおかげだな。

「着替えて、食堂に行くか」

何が始まるかは知らないが……





全員集まっているはずなのに……静かだ。
まさか……中で何かあったのか!?

「…いや、スメラギ・李・ノリエガがみんなに酒を飲ませて、つぶれただけか?」

可能性としては、後者が高い。

「少し自重というものをしないのか……」

シュン……

「…部屋が暗い」
「……せーつな!」
「っ、お、オレに触れるなぁ!!」

バチィ!

「いっってぇ!!」
「まったく…貴方はバカだ」
「せ、刹那大丈夫!?」
「だ、誰だ!?」
「僕だよ!アレルヤ!!」
「アレルヤ・ハプティズム…?」
「今、電気つけるから」

パッ…

「……何故ロックオンは倒れているんだ?」
「さっき刹那が強烈な平手打ちをお見舞いしたからだよ」
「そうか…」
「納得するなよ!すっげぇ痛かったんだから!」
「………悪かった」
「刹那、今日は何の日か知ってる?」

……ビクッ

「いや……知らない」
「嘘だな」
「嘘だね」
「何故、目を見て話さない」
「それは……」

見せられない。
今の顔を。

「刹那…Happy Birthday。生まれてきてありがとう」

『ソラン、おめでとう。生まれてきてくれてありがとう……』


「……ぁ、」
「刹那?」
「ロック…ロックオン…!」
「まったく……甘えん坊だな、刹那は」
「昔を思いだしているんですかね?」
「こいつの子供のときなんて、想像出来ないな」
「きっと、可愛かったと思いますよ。だって、甘える姿が可愛すぎますよ」
「……だな」
「……今日だけは、一緒にいて」
「はいはい。可愛い刹那」


Happy Birthday Setsuna


End


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