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「そうだよ!ものまね!鬼道、早く早く!!」
「……ッ」

まるで仔犬が尻尾をパタパタと忙しく振っているような幻覚まで見えなくもない円堂が、期待に満ちた目で鬼道をじぃっと見つめた。
これで逃げ場はなくなったと思った。

(う、みんながいるのにやるのか……!?)
「鬼道、早くー!」
「頑張って、お兄ちゃん!」

円堂は急かし、妹は応援する。やりたくなかったが、いよいよ腹をくくった。

「……ろ」
「え、なんて言ったの?」

「ヴェーダに依存しっぱなしで、オレたちに勝てるわけねぇだろォォッ!!」

「助けて、リボンズぅッ!!………って、鬼道怖っ!」

いつもゴーグルに隠れている赤い目が更に怖さに拍車をかけたのだろうが、かなり似ていたそのものまねに部室にいた全員が固まっていた。
やった本人は、はぁはぁと息を吐いていた。

「いいだろ……これでいいだろ!?」

鋭さを増した目に睨まれ、円堂たちはこくこくと首を縦に振ることしか出来なかった。

「つ、次でラストな!時間もそんなにないし」
「そうだな、みんな何やりたい?」
「ババ抜きにじじ抜き、黒髭、釣りゲー、スマ○ラ、ハーツはやったぜ?」
「そうだなー…」

やったゲームの中に突っ込むべき部分もあるが、それはスルーしておいて、彼らは自分たちが持ってきたものをすべてやりきってしまったのである。

「あ、キャプテン!いいのありますよ!」
「本当か、宍戸!」
「マックス先輩に貸すために持ってきたやつですけど……」

と、言って宍戸が出したのは太鼓の○人一式セット。
よく持ってこれたな、と密かに突っ込む者がいた。

「あー!やっと持ってきたの!?」
「いろいろあったんですよー!」

宍戸とマックスが言い合っているなか、円堂は目を輝かせていた。そう、鬼道のときのように。

「なぁなぁ!やろうぜ、太鼓の○人!」
「…円堂、すごい輝いているぞ……」
「ん、そうか?」
「と、とりあえず、やりませんか?」

立向居の声がかかり、太鼓の○人戦が始まった。


******


それからは凄まじかった。
マックス、半田は当たり前のように高得点を叩き出した。吹雪、豪炎寺、鬼道がそれに続いている。1年組は立向居を除き対決に参加することを辞退している。
で、今は綱海が挑戦している。

「オレに乗れねぇ波はねぇ!!」

大海原のときに音村に仕込まれたのかリズム感が凄かった。
結果は……マックスを抜いてトップにたった。

「嘘!?」
「お、オレトップか?」
「綱海さん…凄い」

ここまでの結果は綱海がトップ、それに続いてマックス、半田、吹雪、鬼道、豪炎寺、染岡、立向居と続いている。ラストは円堂である。

「よーし、頑張るぞー!」
「キャプテン、頑張れでヤンス!」
































「あー!立向居に1点差で負けたァ!」
「惜しかったな、円堂」
「結構、いいところまでいってたのにー。惜しかったね」

円堂は前半は調子が悪かったが、後半で勢いをつけた追い上げを見せた。が、前半の結果が響き、惜しくも立向居に1点差で負けてしまった。

「悔しがってるところわりぃが……」
「罰ゲーム、ハイ、引いてねvV」

そして、綱海とマックスにより罰ゲームが執行されたのである。


























「うわー、これ、ヒラヒラすんな。動きずらい」
「え、えええええええええ円堂!そ、それ以上ヒラヒラさせないように動くなッ!!」

罰ゲームを決めるくじ引きの結果、円堂は某カードゲームアニメの黒魔術師少女のコスプレをしていた(ちなみに吹雪と同じアニメである)
ヒラヒラが気になるのか、どうも落ち着きがない。
動く度に、チラチラと見えそうで見えないところが皆を刺激している。

(……さっきから、こう、なんだ?気になって仕方ない…ッ)
(え、ええええええ円堂さん!襲ってしまいたいくらいかわいいですvv)

ちなみに、上のふたりに限らず、皆思ったことを声には出さず叫んでいた。

「なぁ、もう着替えていいか?動きずらくて仕方ないや」
「そうだね、着替えようか」
「あ、オレも着替えるー!」

女装していた3人(円堂、吹雪、半田)は、着替えを持って部室を出ていった。
残されたメンバーは、しばらく動けなくなっていたそうな。
そして、次にこんなことをするときはコスプレ関係の罰ゲームを減らそうと全員が誓った。


End


罰ゲーム(コスプレ)一覧

円堂→ブラマジガール
吹雪→サイマジ
鬼道さん→アレルヤ(2期)
半田→メイド


他に鬼道さんはハレルヤ、(描写はないけど)豪炎寺はデンジのものまねをしました。


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