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さて、それを見ていち早く硬直がとけたのは立向居である。その手にはどこからだしたのか、凶器になりえるものが握られていた。

「うわぁぁぁぁぁん!!え、円堂さんがあのペイント野郎とぉぉッ!!」
「た、立向居!やめろ、落ち着けぇえぇぇ!!」

立向居が源田に襲いかかろうとして我に戻り始めたメンバーだったが、次に目に飛び込んできたのはいつぞやの病ん丸様である。
立向居を止めようとしているのはわかるが、その手に凶器となりえるものが握られていた。立向居をいつの間にか押し倒している上に目が据わっている。非常に危険な状態だった。

「や、やめろ!風丸ーーー!!いくら円堂のためだからといっても、」
「度があるからぁぁぁぁッ!お願いだからやめてー!」

立向居にのし掛かる風丸を鬼道と土門でなんとか押さえつけた。「離せ、円堂の幸せのためならオレはぁぁぁぁぁぁッ!」と叫び抵抗はしていたが……

それを離れたところで見ていた豪炎寺は、ファイアトルネードを源田に打ち込もうとしたがそれは出来なかった。
何故なら、背後でブリザードが吹き荒れペンギンの軍隊もいた。その中心には黒い笑顔の吹雪と佐久間がいた。

「人の幸せ、邪魔しちゃいけないんだよ?」
「ほら、オレたちのチームメイトの幸せだろ?」

豪炎寺は、何も言い返せずただ素直に返事を返すことしか出来なかった。

「んん…ッ、は、ぁっ…こ、じろぉ…ちゅー長い」
「久しぶりに会えたんだ。これくらい構わないだろう?」
「…うん。幸次郎、大好き」
「守、愛してる…」

後ろが騒がしかったが、円堂と源田にとってはどうでも良かった。
今は、こうして恋人と過ごせることがいちばん幸せだからである。

またどちらともなく唇が重なり合った。


End


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