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「ッあ、ひ、ヒロト!?」
「うわぁ、円堂くん、顔真っ赤だよ?」
「ひ、ヒロトが変なことするか…ひぁッ!」
とうとうヒロトは円堂のユニホームの中に手を入れ始めた。突然の出来事だったため、円堂は何も出来ずにただ流されるだけだった。
「ひ、んッ!ヒロ、ト、くすぐったいぃ…////」
「やっぱりさぁ、円堂くんの腰、細いよねぇ…ちゃんと食べてる?」
「うぁ、変な、触り方すんなぁ////」
「「「ダークフェニックス!!」」」ちょうど円堂とヒロトの目の前を闇色の不死鳥が通り過ぎ、首を横に振るとサッカーボールが地面に10cmほどめり込んでいた。とりあえずボールが飛んできたと思われる方向に首を向けると、風丸と豪炎寺、そしてGKであるはずの立向居がボールを今にも蹴り出しそうな勢いのまま立っていた。
「な、なぁ、さっきのシュート、お前たちがやったのか……?」
「あぁ、3人で連携技を練習していたんだ」
「すまなかったな、ちょっと足元が狂ってしまって」
「怪我しませんでしたか?円堂さん」
一応笑ってはいるものの、3人はどす黒いオーラを惜しみもなく放出していた。
「君たち、危ないじゃないか。僕の円堂くんに怪我をさせたらどうするんだい?というか、邪魔だから練習してろよ」
訂正。
ヒロトもどす黒いオーラを放出させ、にっこりと笑っていた。
「あれ、いたのか基山」
「へぇ、いい度胸してるね風丸くん?僕はずっと円堂くんといたけど?」
「円堂、基山とたくさん練習したんだろ?今度はオレたちの練習に付き合ってくれよ」
「ごめん豪炎寺くん。これから円堂くんと練習再開するつもりだったんだ」
「円堂さん、キーパー練習に付き合ってください」
「キーパー練習なら、ストライカーとやればいいだろう?」
この間わずか10秒。笑って会話しているのにも関わらず非常に怖かった。しかしこういうことには鈍感ド天然な円堂はよくわからず、仲がいいなという程度にしか思わなかった。
「円堂、FWのシュート練習したいんだが、キーパーやってくれないか?」
「あぁ、いいぜ!でも、あいつらほっといていいのか?」
「しばらくすれば練習に戻ってくる(非常に胃が痛みそうになるがな)」
「そっか、じゃあ行こうぜ」
「吹雪、あいつら凍らせておけ」「わかった。先、行ってて」その後、グラウンドの片隅に氷柱が立ち、中には4人閉じ込められていたらしい……
「こんなチームで世界一になれんのか……」
遠くから傍観していた不動はもっともらしいことを小さく呟いた。
毎日恋戦争。(監督、あいつらどうにかしてください)(……無理だな)(……胃薬と頭痛薬買いに外出していいですか?)(鬼道ー、練習やろうぜ!)End
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