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今現在の状況………




──珍しく、ボク(勿論もうひとりのボク含む)ただ一人。



「ボク、何かしたかな…」
『珍しいよな。城之内くんたちが相棒と会わないなんて』
「そう、だね……」
(何か怒らせるようなことしたのかな……)
『相棒、気晴らしに屋上行かないか?』
「うん。行こっか」
(相棒、ごめんな…)








「遊戯、行ったか?」
「行った、行った」
「後で、びっくりさせるつもりなんだから。バレちゃまずいよね」
「もうひとりの遊戯、うまくやってるかしら…」



「ん…きもちいい風……」
『なぁ、相棒』
「ん?どうしたの?」
『オレさ、今までずっと眠っていたからよく、わからないんだが……友達って、暖かいものなんだよな?』
「急にどうしたの?」
『いや、特に意味は無いんだ。忘れてくれ』
「……?」

と、その時。
ボクの頭に何かがぶつかった。

「なんだろ……紙飛行機みたいだけど…」
『相棒、なんか書いてないか?』
「あ、確かに。何だろう」

紙飛行機には、こう書かれていた。

北校舎2階の視聴覚室で待っています。

「視聴覚室?」
『行ってみようぜ、相棒』
「うん!」


屋上から視聴覚室前に移動したボクたち。
教室の中で何かしてるのかと思い、扉を開けた。


パァン、パァン!

「うわっ!」
「へへっ、びっくりしたか?」
「じ、城之内、くん!?」
「さ、主役はこっちよ」
「し、主役?」
「今日、お前の誕生日だろうが!」

そういえば、とボクは思った。
6月4日はボクの誕生日。

『相棒〜、すまない!ずっと知っていたのに、は、話さなくて……』
「大丈夫。気にしてないから。それと……Happy Birthday、もうひとりのボク」
『え?オレの誕生日じゃ…』
「ボクは君で、君はボクなんだから、いいの!」
『………〜!ありがとう、相棒!!大好きだぜ!』


Happy Birthday Yugi

End


.


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