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「今日も雨、かぁ……」

憂鬱そうに呟くのはこの部屋の主、遊戯。

ここ数日、雨が振り付け続いていた。

『相棒、今日は何するんだぁ?』

遊戯にしか聞こえないように(事実遊戯にしか聞こえてない)、話しかけたのは千年パズルにいる古代の王様──闇遊戯。

「そうだねぇ……どうしようかな…」
『毎日雨だとつまんないぜ!!』
「うん……そうだ!てるてる坊主作ろう!」
『て、るてるぼぅず?』
「そ、」
『それって、なんだ?』
「てるてる坊主はね…」

そう言うと遊戯はてるてる坊主を作りだした。

「ほら、これだよ!」

出来上がったてるてる坊主を闇遊戯に見せた。

『なんだ、これ。下がひらひらしてるぜ』
「これがてるてる坊主だよ」『へぇ……で、どうするんだ?』
「こうやって、吊るすんだよ」
『吊るすだけなのか?』
「あと、明日天気になれってお願いするんだ」
『それで晴れるのか?』
「きっとね」
『きっと…って、運頼みじゃないか』
「でも、楽しみでしょ?」
『それは…』

てるてる坊主、てる坊主♪
あ〜した天気にしておくれ〜♪

『歌?』
「うん。てるてる坊主の歌だよ。明日、天気になるかな……」

翌日。

「もうひとりのボク、見て!!ちゃんと晴れたよ!」
『久しぶりに晴れたな』
「てるてる坊主のおかげだね」
『あぁ。凄いな、こんなに小さいのに』
「ありがと、てるてる坊主」
『あ、相棒。今日はどこかに出かけようぜ!あの新しいパック買いに行きたいぜ』
「じゃ、行こっか」























小さな小さなてるてる坊主は、遊戯のお願いを叶えてくれた。

また雨が降ったら、てるてる坊主を闇遊戯と一緒に作ろう、と決めた遊戯であった。




てるてる坊主、てる坊主♪
あ〜した天気にしておくれ〜♪

End


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