※現パロ設定です







「兵助っ、今日の夜暇かな…?」



いきなり目の前にいる彼女に爆弾発言をされた。

ちなみにこの豆腐みたいに可愛い可愛い先輩は俺の彼女だ。
見た目だけじゃなくて、中身も可愛いらしいお人である。
いつもいつも俺のために優しくしてくれて………ああ、長くなってしまうから、名前の良さはまた今度ゆっくり語ろう。


いつも一緒に学校の登下校をしていて、今は夕方。

名前は部活動を引退しているが、弓道部の俺を見学しながらいつも待ってくれている。

今日もそんな帰り道だったわけだが。


何だこれ。



『名前……誘ってるの?』


「な?!ちっ違うからね、違う違う///今日はバレンタインでしょ?チョコ家にあるから」



まぁ何となく予想はしていたが。
そうだよな、名前が自分から誘ってくるなんて、夢のまた夢だ。

いや俺はそんな初な名前が好きだけど。

チョコ、かー。
実は今年の俺はチョコを一つも貰っていない。
去年はそれなりに少しはもらっていたが、今年は先輩がいる。

作ってくれた人には悪いけど、俺は名前のチョコしかいらない、欲しくないわけで。
はっちゃんに「お前なんてやつだ!チョコ分けろ」と怒鳴られたのは今日の昼休み、記憶に新しい。



「名前のチョコ、すごい楽しみだ」


『うっ…な、何だかすごいプレッシャー感じる、よ?』


「大丈夫大丈夫、名前の作ってくれたものって全部美味しいし、豆腐ハンバーグとかあんかけ豆腐とか」


『全部豆腐じゃない……。でもありがと、兵助//』



照れるとそっぽを向く彼女は、ほんとうに愛らしい。
今日の夜、ちょっとぐらい手を出してもいいだろうかとか、邪な心を持つ俺に、彼女はきっと気づかない。


ああ楽しみだ。








「じゃーんっチョコフォンデュ作ってみました!」


『わ、うまそ』



彼女の実家に上がらせてもらい台所でドキドキしながら待っていると、名前は大きな鍋とたくさんの種類のフルーツを持ってきた。

チョコフォンデュ。


この歳になるまで食べたことがなかった。
まぁ男が食べるようなものじゃないしな、そもそも。
でも勘ちゃんは例外で普通に食べてそう。
この前ファミレスで超特大チョコパフェ食べてたし。

ああ、そんなことよりチョコフォンデュ。



『いただきます』


「どうぞっ」



…。


この長い棒みたいのでフルーツを刺して食べる、のか?
俺、これ初めて食べるからわからないんだけど。

名前をちらりと盗み見すると目があった。



「兵助食べ方わかる?」


『…ごめん、初めて食べるからわからなくて』


「じゃあ、はい。あーん」


『あ?!///』



名前は棒(あ、ピックって言うらしい)に刺したイチゴをチョコに絡めて、俺の口元に持ってきた。

うわうわうわ…ちょっと待って。

あーんとか何それ!
名前かっ可愛い…可愛いけど俺は恥ずかしいって//

でも全部俺のためにしてくれたことだし、ここはやるしかないか…?



「あ」



ぽとり。


俺が迷っているうちに、イチゴにつけたチョコが彼女の太股に落ちてしまった(ごっごめん!)。
とろとろと名前の太股を汚していく。


あ、でも待てよ。



「えへへチョコついちゃった、ちょっと拭いてくるね……ひゃ!///」


『名前、うまい』


「ううううまいって…!こっこら、そんなとこ舐めない、の///」


『よっ』


「きゃ、!」



彼女が座っていたソファに押し倒して、太股や手にチョコを垂らしてみた。

うわ、すごくうまそう、いやうまい。

チョコフォンデュってこういう食べ方もできるんだな。
名前もチョコも美味しくいただける、一石二鳥だ。



「へっ兵助ぇ…私なんか食べても美味しくないってば!」


『…名前なんか勘違いしてるみたいだけど、まぁいいか。









(名前もチョコも美味しくいただきます)









110211

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兵助にチョコフォンデュネタをやってもらいました。