満月と新月
犬語
「ワンワン」
「え?そうなのん?」
「ワフッ!」
「え、でもそれだとマズくなぁい?」
「バウバウ!」
「あ、そっかぁ〜!ラピード賢いわねん!」
「ねぇ、ユーリ。あれ、しゃべってるよね?」
「ん?適当に相槌打ってるだけだろ?」
「いえ!あれはしゃべってますよ!」
「んなわけねぇって」
「でも、よくああやって2人で話してるし」
「ただの遊びじゃねえの?」
「わたし、直接聞いてきます!」
「え!エステル待って!ボクも!」
「……オレも行くか」
「あの、ラピードの言葉がわかるんですか?」
「うい?言葉もなにも、ラピードがテレパシー飛ばしてくるのよん」
「「………………」」
「え!?どうしたらわたしもそのテレパシーを受け取れるんです!?」
「エステル、必死だね……」
「そうね、その秘術を教えてあげるけど、条件があるわん!」
「条件ってなんです!?」
「精霊を交換して欲しいのぉ」
「それってつまり、ウンディーネとレミエルをって事だよね?」
「あきらかにベリウス狙いだな」
「ちょっと!わたしの何が不満なのかしら?」
「あ、レミエル……余裕無いんだね……」