日々徒然



猫の日でしたが…
2013/02/23 00:50

陽も時計の針も登り切る正午。
シャイニング事務所所属のアイドルである寿嶺二、黒崎蘭丸、美風藍、カミュは社長であるシャイニング早乙女に呼び出されていた。
社長に呼び出された理由は分からないが、社長の気まぐれは今に始まった事ではない。
社長室の前に集合した四人の内、最年長である嶺二が社長室の扉をノックし「失礼しまーす」とドアを開ける。 開けたと同時にボフンと言う爆発音に近い音とピンク色の煙が外に吹き出す。
四人は避ける間もなく煙に包まれ、気管に入ってしまい咳き込み、目を見開こうとするが、煙が目に入り目尻に涙を浮かべてしまう。
数分後に煙が納まった時には四人の目の前に映ったのは、白衣を着用しているシャイニング早乙女の姿であった。

「シャイニーさん… 今の煙なに?」
「オーウ。 実験に失敗してしまいまシタ」
「はぁ? 何の実験だよ。 ったく煙吸いこんじまった、気持ち悪ぃ…」
「身体に害はないんだろうな」

藍を除く三人は社長に愚痴と文句を言いながら部屋に入っていく。 部屋に入らない藍を不審に思ったのか三人が振り向き藍に視線を移す。

「ねぇ、ランマル。 君の格好ふざけてるの?」
「あ゛ぁ? てめぇが何ふざけた事、言ってやがるんだ」
「じゃぁ、その頭のは何?」
「頭? 俺は頭には何も……っ」

藍に指摘され蘭丸は片手を頭の上に乗せる。 するとワックスで固められた髪の毛に不釣り合いな柔らかい何か。 手触りが良く触ると無意識にピクピク動くそれに蘭丸は全身の血の気が引いた様な気がした。
嶺二もカミュも蘭丸に視線を注ぐと明らかに人間には生えていない茶色の獣の耳が生えていた。

「んじゃ、こりゃぁぁぁぁぁぁぁ」
「ぷっ…ランラン何それ、可愛い〜〜〜〜」
「…気色悪いな」
「黙れ、二人とも…って、嶺二。 てめぇも頭どうしたんだ?」
「え? 僕は帽子被っているから、何時も通り…ってアレレ?」

嶺二も蘭丸と同じ様に片手を頭に乗せると、そこにはいつも被っている帽子の横から生えている柔らかい毛並み。 鏡を見ていなくても分かるそれは蘭丸に生えているものと同じものだ。

「って事は…」

嶺二と蘭丸が視線をカミュに移すと腕を組んだままのカミュの頭の上には普段着用しているスーツと同じ色の耳が生えている。
カミュは気付いていないのか、急に注がれた視線に不機嫌になり二人を睨みつける。

「どうやら…今の煙のせいで獣の耳が生えてしまったようだね、ボクたち」

部屋に藍の冷静な声が響くが、藍の頭上にも光沢を放つ毛並みの獣の耳が生えていたのだった。





尻尾も書こうと思ったのですが、尻尾の描写を書くとパンツが尻尾でずり落ちると言う残念な話になるので割愛しました。
この後、春歌が来て可愛く見えてしまう先輩達にキュンキュンすると言う話を書こうと思いましたが、特にオチが思いつかなかったです。
イメージとしては藍だけが猫で後は犬です。
あれ?猫の日が関係なくなった…。




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