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窓際の一番後ろの席、それは心に余裕を持って授業を受けたい生徒にとっては夢のスイートスポット。運よくその座席に座る私の前の席の切原赤也くんはいつも落ち着きがない。一時間に一回は消しゴムを落としたり寝たり早弁してたり勢いよく飴の袋を開けて中身を吹っ飛ばしていたり消しゴムのカスをもくもくと練っていたり(用途は主に友達に投げつける)とにかく忙しい。そんな赤也くんを後ろから見ているのはとても面白く、スイートスポットもその本領を発揮して授業中も心置きなく観察している。

「げ」

あ、と赤也くんと同時に声を上げてしまいそうになるのをグッと堪えた。彼は先程帰ってきたばかりの英語のテストで紙飛行機を折っていた。開いていた窓から飛ばすふりをしたりして、危ないなぁと思っていたら案の定風に吹かれて飛んでいってしまった。

「ちょ、ちょっと先生!トイレ!」

おーい、先生はトイレじゃないぞーと寒いことを言う先生をよそに彼は勢いよく教室を飛び出した。あまりにも慌てて飛び出して行くものだから、そんなに間に合わないのかとみんなが笑った。少しすると窓の外に赤也くんが現れ、木に引っかかった紙飛行機と格闘していた。その様子に耐えられなくてニヤニヤしていたら、赤也くんというバリアがいなくなって丸見えだった私は普通に怒られた。赤也くんはボロボロになって頭に葉っぱをつけて帰ってきて怒られた。

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