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最近どうにも苛立ってしょうがないことがある。俺が新しく昼寝の場所に採用した木の陰で寝ていると、昼休みの終わり十分前にその前を通る女がいる。その場所を見つけて一週間経ったが、女は毎日通る。鈍臭い動きで走りながら木の前を横切っていくのだが、必ずこける。酷いときは転がる。一見なにもないところでこけているように見えるが、地中に埋まった石が少し出っ張っているのに躓いているのが原因のようだ。生まれてこの方そんな無様な姿を晒したことはない俺にはどうしても何故毎日毎日学習もせずこけられるのかが不思議だった。習慣化しているのか。謎だ。

ある日俺は暇つぶしに、こけ女の後をついていってみることにした。鈍臭い女は尾行されていることに気づかない。木のある場所から校舎の陰に入ると女は放置された段ボール箱に近寄って、中にいた痩せ細った猫に餌をやり出した。

翌日から女はこけなくなった。誰かが石を取り除いてやったからだ。俺はというと女のパンチラが見られなくなったことと、爪に入り込んでなかなか取れない砂に苛立って昼寝の場所を変えた。

今日も、天気がいい。

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