日常小ネタ | ナノ



新しいバイト



「学部の同級で、コンカフェで働いてる女の子がいるんですけど」
「うん」
「すげー人手不足らしくて、ヘルプで入ってくれないかって言われてるんですよね」
「へー。どういう感じの店?」
「あれです、駅前の飲み屋街にあるメイド系の」
「えっ?」
「あるじゃないですか、交差点の脇のビルんとこ」
「いやそれはわかるけど、だめでしょ。メイドとか絶対だめ。そんなん俺が許すわけないだろ、わかるでしょ」
「いや……そういうことじゃなくて」
「だめだめ何言ってんの、どうせ条件いいからやるって言ったんだろ? だめだよ伊勢ちゃんのメイドなんて俺以外楽しむ権利ないから。俺の相手してくれたら俺がお小遣いあげるから、それなら文句ないだろ」
「いや違いますって俺がメイド着るわけないでしょ。裏方ですよ」
「……え、そうなの」
「キッチンです。自分だって飯屋のバイトしてるでしょ、あれと同じですよ」
「……いやでも心配だわ、シフト薄いときにやべーメイド足りねえわ誰か着て、じゃあそこの一番かわいい裏方の子着て接客して、とかなるかもしれないし」
「ねーから絶対ねーーから! まじばかじゃないの?」
「ていうかメイドじゃなくても、客はかわいい子にご奉仕してもらいたくて来てるわけだろ? 伊勢ちゃんが視界に入ったらそういう目で見られる可能性しかないじゃん終わったわ」
「高岡さんガチで勘違いしてたの恥ずかしくなってごまかそうとしてるでしょ」
「どうしてもやるって言うなら心配だから毎日行くわそんで伊勢ちゃんがなんかヤられてないか確認する」
「あー、それはそれでいいっすよ。売り上げ貢献してください」
「……メイド喫茶って何注文できんの」
「普通のカフェメニューらしいですよ。なんか色々飲み物と、オムライスとかパスタみたいな」
「それ、伊勢ちゃんがあーんしてくれるの?」
「しねーわ」
「えっしないの」
「しねーよなんだと思ってんすか」
「料金ちょっとのっけたら個室でえっちなこともできるんじゃないの?」
「まじで働いてる人にド失礼ですよそれ」
「いやいや、伊勢ちゃんだけの特別プランだと思ってるよ」
「別にいいですけどそしたら俺金さえもらえるなら誰とでも個室でエロいことしますけど」
「……」
「……」
「……ごめん、謝るから……」
「ガチで泣きそうにならないでくださいよ!」



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