SS・その2 [ 2/50 ]

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恋の話

「ジャブラがまた振られたチャパパー!」
「てめえそのチャック閉めてろ!」
「良いですねえ、恋って」
「なんだなんだ、ハルアももしかして(はらはら)」
「これは・・・恋でしょうか・・・」
「ハルアが初恋チャパパー!」
「行くなフクロウー!!帰って来やがれええええええ!」
「気付けば頭がいっぱいで・・・」
「え、あ、おう」
「どうしても忘れられなくて・・・」
「おう」
「でも、どうしていいか・・・」
「そうか・・・」
「ハルア、初恋か」
「うおお!化け猫!」
「俺にか」
「どっか行け!!」
「聞いた話では、初恋は実らないものらしいです」
「ばかやろう、そんな迷信俺が六王銃で打ち壊してやる」
「(うぜえな)ところでよう、お前相手は誰だ?給仕の誰かか?」
「前に一度だけお会いした元帥様の・・・」
「「センゴク元帥!!?」」
「元帥様のヤギさんが・・・!!」
「「・・・・」」
「また会いたい!今度は触ってみたい!ひゃああ・・・!」
「「そうか・・・(ちょっと安心)」」


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メガネの話

「メガネをかけてみました!(どーん)」
「・・・どうした」
「よく似合っている。だが黒縁の方が」
「うるせえぞルッチ!目え悪かったか?」
「いえ、カリファ様に知的で素敵ですよね、って言ったら」
「買ってきたのかあいつ・・・」
「度の入っていない伊達メガネなのです」
「そりゃ良いけどよ、なんか邪魔じゃねえか?」
「ああ、たしかに・・・。視界に縁が見えて不思議な感じです」
「ちょっと買い物に出てきます」
「黒縁買う気か!」
「え、そんな勿体無い!」
「俺が見たいんだ。もらってくれるか?」
「えっと、ありがとうございます(てれてれ)」
「何だこの空気・・・。もう何でも良いから茶淹れてくれ!」
「はい只今!って、ひゃああああ!!」
「・・・・・・!!!(熱湯直撃)」
「ルッチいいいい!!どうしたハルア!?」
「目が!目が見えなく・・・。真っ白です!!」
「・・・・・・!!!」
「何ぃ!?・・・ってメガネか!」
「え?え?」
「・・・・・・!!!」
「湯気で曇ってんだよ、外してみな」
「おわあ、本当だ!」
「んだよ驚かせやがって・・・おい、ルッチ大丈夫かお前」
「・・・・問題、ありません・・・(ぶるぶる)」


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お日さまの話

「この島にいると、時々夜の存在を忘れてしまうわ」
「たしかにのう、いつ空を見てもこれじゃからな」
「ハルアは大丈夫?体調を崩したりしていない?」
「ぼくは健康優良児なのです!」
「ワシは最初はなかなか寝付けんかったもんじゃ。
今はカーテンさえ引けば大丈夫になったが。」
「ぼくもお月さまが見たいなあ、って思うこともあります。でも」
「「でも?」」
「この島のお日さまは、特別なんです」
「・・・どういうことかしら」
「クザンさんと住んでいた島を出たとき、どこ行きたい?って聞いてくださって」
「ふむふむ(あの大将のこの子には甘いのう)」
「昔、お父さんにずっとお日さまの沈まない島のことを聞いたって言ったら」
「ここだった、ってこと?」
「はい!」
「そりゃあ良かった、お父上に感謝じゃな」
「えへへ」
「特別っていうのは?」
「あ、そうでした。
この島に来れたのは、お日さまのおかげですからね。
見る度にありがとうって感謝するんです。
だからいつも空にいてくれた方がぼくとしては助かるんです」
「「・・・・」」
「カク様?カリファ様?」
「「(なでなで)」」


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睡眠のはなし

「ブルーノ様、眠れない時ってどうやって過ごされます?」
「どうした、眠れないのか」
「はい、寝る環境が変わったせいでしょうか・・・」
「?」
「前はベッドが足りなくて、毎晩違う方と一緒に寝ていたんです」
「それだけ聞くとなんだかえげつないな」
「え?」
「いい、分からくていい」
「今は二人部屋になって、ベッドもいただいたんですが・・・」
「そうか・・・、俺は本を読んだりだとか・・・」
「あ、それなら試したんです」
「ダメだったのか」
「理解はできるんですけど、ぼくには難しくって、余計眠れなくなっちゃいました」
「・・・これは誰に借りた」
「同じことを相談したら、これが良いってルッチ様が」
「・・・ちょっと待ってろ」

「ルッチ、子供に人体の急所やら効率的な殺し方の本なんて読ませるな!」
「たいていは理解していた。やはりかしこいな」
「そういう問題じゃないだろう」
「添い寝を遠慮されたから提案したまでだ」
「・・・もういい・・・(今度からココアでも作ってやろう)」


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肩車の話

「ハルアちゃん、そーれ」
「ひゃあああ!高いです!」
「俺の肩車となれば、視界も変わるでしょ」
「すごいですねえ!いろんなものが上から見えます」
「ハルアちゃんちっちゃいからなあ」
「えへへ、クザンさんと同じものが見れて、なんだか光栄です」
「あららら、おじさん調子乗っちゃうよ?」
「え?あ、クザ、ひゃああああ」
「俺が走るなんて滅多に無いから貴重だからね」
「うわああ風が!びゅうって!うわああ!」
「楽しそうで何より」
「あ、海が見え、ろんっ!!」
「え、見えろん?」
「・・・・」
「あれ、ちょっと?え、どうしたの」
「・・・・」
「なんでだらんとしちゃってるの・・・え、血?」
「・・・・」
「あ、木の枝か!ごめん!本当ごめん!
おじさんが悪かったから目え覚ましてちょうだいよ・・・!」


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カートの話

「ハルアの押しておるカートは小さいのう」
「はい、ぼく専用なんですよ!」
「やっぱりか。他の給仕たちのはもっと高いからな」
「どうしても踏み台無しじゃ使いづらいんで、フクロウ様が改造してくださったんです」
「器用じゃのうあいつ!」
「なんと!側面から踏み台も出てくるんですよ!」
「おお、ハルアは小さいからこりゃ便利じゃのう」
「更に天板を開けると、裏には塔の見取り図が!」
「これまたありがたい」
「更に更にぼく用の収納スペースもばっちりで、ここにはスパンダム様からいただいたスタンガンを入れています」
「スタンガンとは何でまた・・・!」
「変質者が出たら危ないかららしいです」
「(対ルッチ用か!!)」
「でも、極めつけはやっぱりこれですね」
「まだあるんか!?」
「実はこのカートのタイヤ、ころころスタンプになっているのです!」
「アホかっ!!」
「これはさすがにどうして良いやら」
「ころころスタンプなんて、久しぶりに聞いたわい」
「インクを付ければできるんですが、汚すのが嫌で試せていません」
「何がしたいんじゃろうかあいつは・・・」
「あと、カートの特典として十徳ナイフもいただいてしまいました」
「本当に何がしたいんじゃあいつは・・・!!」



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