中学生恋愛 [ 17/94 ]

「チアキ−!俺お前が好きだ!」

「マジすかー」

「軽い!でも好きだ!」

エース先輩は、私より1つ上の学年の人の好い兄ちゃんみたいな人。
実際に弟もいるらしくて、名前と噂だけはいくらでも聞こえてくる。

よく放課後一緒に帰ったりとかお菓子食べたりするけど、これって先輩後輩だからだよね。
好きとか言われてもどうしよう。

「俺のこと好きか?」

「うん、結構好き」

「結構か!でも好きだ!」

もっとこう、何て言うか。
恋愛ってやつはキュンとくるって言うか。
エース先輩にキュンなんてしたことないもん。
ゾッとすることとかヒヤッとすることならあるけどさ・・・。

エース先輩は格好良い。
すっごい格好良い。
女子にもいっぱいモテて、それでも明るく笑うから余計にモテてファンクラブとかもあるらしい。
運動できるし性格良いし見た目格好良いし、超超超性格良い。
何回でも言うけど性格良い。

まあ勉強はね。あれだけどね。うん・・・ね。

「エース先輩は私にキュンとする?」

「する。すげえする」

「どんな時?私分かんない」

「俺にしねえのかよ!
・・・あー、笑った時とか怒った時とか話してる時とか、あと寝顔やばかった」

「いっつもじゃないすか」

「おー、いっつもキュンキュンする」

「今もする?」

「今はドキドキするな」

何それ。やっぱり分かんない。
ドキドキするのは好きってこと?
ドキドキしたら好きなの?

「好きだからドキドキすんだろ」

「分かんない」

「俺もあんま分からねえけどな」

でも、チアキのことは絶対好きだ。って。
そんなこと言われても。
セリフはめちゃくちゃ格好良いけど、口の端にケチャップ付いてたりするんだなこれが。

「エース先輩は好き」

「よっしゃ俺オヤジに報告・・・」

「でも恋愛とかそんなのは分かんないよ」

「・・・そーかぁ・・・」

うん、そうなの。
でもなんでかな、胸がぐちゃぐちゃしてきたんだよね。
お昼に食べたオムライスがダメだったのかな。
ちょっと机に落ちて、3秒ルールで食べちゃったんだけど、あれか。
あれがダメだったのか。

「も、もし俺に彼女とかできたら、どう思う?」

「うえっ」

「え、チアキ?」

なんでそんなこと聞くの。
胸が、気持ち悪いよ。どうしよう、吐いちゃおうか。

どうした?って背中に手を置かれて、その部分がぽっとあったかくなった。
あ、そこだけ気持ちいい。

「ごめんな、変なこと聞いたな」

「ん」

「でもな、俺やっぱチアキのこと好きだからな」

「んー」

「やっぱ軽いな!」

そんなこと良いから、そのまま背中さすってて。
なんか気持ちいいから。
なんだろうね、もう気持ち悪くないや。

これは好きってこと?
ドキドキもキュンもしないけど、これは好き?


なんてったって中学生恋愛


「あいつら面倒臭えなあ!」
「うるさいよい!黙って見守れ」
「絶対好き同士じゃねえかよあれ!」
「グラララ!若いじゃねえか!」


[*prev] [next#]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -