ペットの面倒 [ 16/94 ]

朝起きて驚いちゃったよ。
なんでここにいるの?って聞いても答えないしさ。

あ、そっか。
ハットリがいないから話せないんだ。
そうフォローも入れてあげたのに、それでも何にも言わないんだ。

どうしたの?
どこから入ったの?鍵開いてた?

ははは!サスペンダー片方はずれてるよ。変なの。

「チアキ」

ビックリした!
それ地声?ねえ地声?

「チアキ」

はいはい、聞いてるよ。どうしたの。
いつにも増して怖い顔だねえ。
睨まないでよ。え?睨んでない?それなら良いけどね。

とりあえずベッドから起きようかな。
コーヒーぐらいは飲んで行きなよ。
・・・あれ?
そうだそうだ。
どうしてここにいるの、だ。
忘れちゃうところだったや!

ねえ、話せるんなら話してよ。
理由でも言い訳でも過去でも妄想でも。
もう睨んでも怖くないよ。
なんだか高飛車な猫に見えてきたんだよね。はは。

ねえ、話してよ。聞いてあげるから、さ。

・・・え?なに?
荷物まとめろ?なんで?

え、帰っちゃうの?
いや良いんだけど、結局何しに来たの。
痛い痛い、分かったよ。

旅行でも連れて行ってくれるのかな。期待して待ってよう。
・・・そんなこと言いに来たのかな?


ねえ、ルッチ知ってる?
アイスバーグさんが海賊に襲われちゃったんだって。
旅行どころじゃなくなっちゃったね。


ペットの面倒は最後までって言うから


ねえ、ルッチ聞いて。
今、牛のお面で仮装した人にさらわれてるの。
やっぱり旅行どころじゃなくなっちゃったね。



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