君の笑顔は眩しすぎて私は干からびてしまいそうになる


 じりじり。肌が焦がされているような錯覚。手も足も、全身が強火で炙られているようだ。サンジに料理される食材も、こんな思いをしているのだろうか。体の奥深く、そこで何となくそう思った。沈んでいたはずの意識は、瞼の外側からの刺激で無理矢理引き上げられる。ゆっくりと目を開くと、真っ黒な瞳と視線が交わった。

「…ルフィ。」
「やっと起きたか!寝ぼすけだなあ、名前は!」
「それはどうも。」

 日差しが痛い。体を起こして近くの日陰に移る。気温自体が高いから暑いことに変わりはない。が、それでも直射日光じゃないだけマシだった。キッチンからはサンジとウソップ、それにチョッパーの声。怒声が聞こえる辺り、どうせつまみ食いとかしたんだろう。

「また寝るのか?」
「たぶんね。」
「暑くねえか?」
「暑いから日陰に移動したんだけど?」
「あ!なるほどな!」

 ぽんっ。手を叩いたルフィは、何を思ったのか隣に座る。私と同じく足を投げ出し、体を船体に預けた。後頭部と船体によって麦わら帽子がずれる。不恰好な隣のルフィは、私を見ると、あの歯茎が見える笑顔を作ってくれた。

「おれも寝る!」
「一緒に?」
「おう!」

 何だかそれが嬉しくて恥ずかしい。顔に集まった熱はどうしようもなくて、私は顔を背けてさっさと目を閉じた。

20180601編集
20110829執筆

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