“この世界”
「ちっ、蚤むしの野郎!逃げやがったか!」
あらあらしく髪を掻き揚げ胸ポケットからタバコを吸う、池袋の喧嘩人形事平和島静雄。
彼がなにしてたかと言うと…まあ、いつも道理の平日を送っていた。
そのいつも道理の非日常が今日一段上の非日常になるのは知るよしもない。
♂♀
「はー、シズちゃんもよくやるよねー。今日は自動車投げるとか。化物だね」
嘲笑う意味を込め独り言をしゃべる青年、池袋の情報屋事折原臨也。
人間観察が趣味でそのうまい口車では臨也の信者もいるとかいないとか。
彼は彼の観察にぴったりの人材がこの池袋に非日常をつれてやってくるとは…。
彼の第六感で気づいていたかもしれない。
♂♀
「…正臣ナンパしてるんだったら僕先帰るから」
「ちょ、帝人待てって!うわっ、何気にボールペン準備してんなよ!」
「ふっ二人とも、喧嘩は良くないです」
上から、竜ヶ峰帝人、紀田正臣、園原杏里。
「ダラーズ」の創設者で非日常を求める青年。
「黄巾賊」の創設者で過去にとらわれる青年。
「罪歌」を体に収め子を増やしたくない少女。
彼等のまえに非日常が現るまであと少し。
♂♀
「此処・・・、何処?」