存在拒否
♀♂
ざわざわと効果音の付きそうな教室。
その中で一際目立ってるのが<未来椎名>
彼女はクラスメイトからの質問に笑顔で答え、また一人称がコロコロ変わるところが受けたようだ。
クラスに溶け込みはしたのだが、まだ近づきもしてこない生徒が三人。
「(あれ?睨まれてる?)」
紀田正臣
園原杏里
そして
「(帝人…、あれ?僕なんで名前しってるんだろう?)」
何かが胸に突っ掛かって出てこない、いわゆる記憶喪失だった。
新羅さんとセルティさんによればそのうち戻るだろうの事。
「(早く、戻らないかな…)」
それまで二人の家に居候させてもらっている。
もちろん、セルティさんの提案だ。
「(記憶が戻ったら、ちゃんと二人にお礼するんだ!)」
そう心に決めて、僕は不思議な感じがした三人の元へ向かう―
これが、第一個目の“鍵”でした。