その後はもう阿鼻叫喚だった。私もマティーさんも、いつもは冷静なノボリさんはテンションが可笑しい事になるしクダリさんは喋らない。インゴさんもエメットさんも同じ様な感じだった。騒ぎが落ち着いたのは他の鉄道員の皆様のお蔭と言えるだろう。
「一番上の人が落ち着かんとどないすんです、ボス」
「申し訳ございません…反省してます」
「お騒がせシテ本当にゴメンネ…」
「ありがとう、落ち着かせてくれて」
「しかしどうしましょうこの状況」
「悪化したとしか言えませんネェ…」
「……とりあえず仕事しましょうよ」
トトメスさんが配ってくれたコーヒーに手を伸ばし、姿勢を正したまま啜る。いやね、騒ぎを聞きつけて飛んできてくれたクラウドさんの怒号が凄まじくって余韻が残ってるんです。『アンタ等何やっとんのやー!!!』って開口一番に言われて吃驚しました本当にありがとうざいました。
「今の所挑戦者は食い止めてますよ」
「チョット危ナイ時モアッタケド全部止メタンダ」
「何気に今日はカズマサも迷子になってないのさ」
「それはすごいね!」
最後の一言が何気に一番凄い報告だったかもしれない、だってあのカズマサさんが迷子になってないだなんて!……と、和んだ所で。
「とりあえずインゴさんとエメットさん、マティーさんの処置や今後の予定は勤務時間外にお話しましょう。我々は今仕事をすべき時間です」
「何か言われたら3人方は私達の遠縁の親戚という事で通して下さいませ」
「ソレが一番得策ダね」
「今日は悪いけれどバトルサブウェイ内に居てくれると助かるかも」
「承知いたしました。一応ライブキャスターの番号でも交換しておきませんか?」
「緊急の時に連絡取りタいし」
「良いですよ、名刺で良いですかね」
名刺交換をし出した私達を見てクラウドさんがジト目になってる気がしてならない。うーん、やっぱりシュールな光景だよなコレ。相手方の肩書きを見てみるとサブウェイボスになってるし…ちょっとずつ、違う所に違和感を感じてしまうのは仕方のない事だ。
「こんな所も違うんですねー」
「ボスだって!ボス!」
「白ボス黒ボス呼んどるやないですか…」
「新鮮ですねこれは」
「マスターだって、マスター!」
「こちらの方ガ格好良イ…」
「はいはいお二人とも登録して下さい」
一斉に似た様な声の人が喋るのにもやっぱり違和感。うーん双子が四つ子に増えた気分。
無邪気に笑うまやかし
(仕事しましょうか)