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▼ 好きよ、好きよ、好きよ



「これプレゼント」

イルミは好き。キュートな猫目はもちろん可愛いわ。暗殺一家の長男だけあって凄く冷徹だし金銭感覚はぶっ飛んでる。でも私より弟君を優先させるねには妬いちゃうし喧嘩すると死にかけるのは私。それに誕生日プレゼントに豪邸なんか貰ってもアナタ一緒に住んでくれないじゃないの。

「誕生日おめでとう」

クロロは好き。団長としてのキリリとした顔もオフの時の子供っぽい顔も両方好き。カリスマ性に惹かれることもあるわ。でもアナタは盗賊で私は女優。悪目立ちし過ぎね、それに誕生日プレゼント素敵だけどコレ盗品じゃない!一昨日のニュースでやってたわ、まさかコレ着けてパーティーに出ろなんて言わないわよね?

「おめでとう!ほらキルアも」
「分かってるよ!…おめでと」

ゴンもキルアも好き。小さいながらハンターになるなんて凄いのね!銀色のふわふわ猫っ毛やツンデレが堪らないしあどけなさが残る好奇心旺盛なその眼差し…年下も良いかもしれないわ、でもダメ。だってアナタ達の保護者が怖いもの!一般人な私なんて捻り潰されちゃう。一緒になんか居れないわよね。


「なんで私の周りには変な男しか居ないのかしらね」
「ちょっと、ボクは?」
「あら失礼。変なのに囲まれてたら男を見る目が無くなったのかも」
「それは大変だ◆」
「…相変わらず嘘付くの得意ね。で、用は何?」
「今日ああああ誕生日だったでしょ★」
「だったら何よ」
「オメデト◆」

ヒソカは好き…なのかしら。変な趣味した服を着て顔は良いのにピエロメイクして挙げ句の果てに奇術師なんて言ってる、どう見たってピエロじゃない。それに変態。全てのステータスをマイナスにする位残念だわ。ほら今もそう。私のことおちょくって馬鹿にして手のひらで転がすの。

「…何その格好」
「ん?何ってプレゼント★」
「まさか『プレゼントは自分』実践しようってワケ…!?」
「わぁ凄い凄い、ああああ大正解★」
「おちょくらないでこの変態!なんでリボンで自分縛ってるの!?さっきまで普通の格好してたじゃない、それに色!ショッキングピンクとか目に毒々しいわ悪趣味よ!」
「奇術師に不可能はないの★」
「っこの、変態!」
「じゃあその変態を好いてるキミはかなりの物好きかそれ以上の変態だね★」
「うるっさい!…はぁ」

私の事をからかったりするのはムカつく。…でも嫌いになれない。分かってるわよ、認めるわよ。イルミと喧嘩した時慰めてくれたのはヒソカ。クロロと一緒に居たからって追われてた時助けてくれたのはヒソカ。キルアやゴンの保護者から逃がしてくれたのはヒソカ。寂しいときいつも隣に居たのは。世間からの目が変わっていく中、相変わらず私をからかい続けたのは紛れもなく。

「悔しいわ」
「認めたの?」
「黙りな、さい!」
「◆」

縛られている事を良いことに私はその喧しいお口を塞いでやったわ!

アナタが誰より一番!
隣に居てくれるだけでいいの。


―――――
逆ハーヒソカ落ち…になっているでしょうか…?
何ともありきたりな誕生日ネタに走ってしまったり遅くなったりでもう本当に申し訳ございません!お気に召して下さればいいのですが…

お持ち帰りやお直し等は暁さんのみでお願いします。




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