防衛戦線 | ナノ





「おはよう帝人君」
「おはよう比日々さん」
「俺は?ねぇ俺は?」
「おはよう杏里ちゃん、今日もいい天気だね」
「ちょ、今日もデレてくれないの曰ちゃん」
「紀田君にはツンの方が良いかなって」
「いつデレてくれるの!?」
「劇場版になったら。ジャイアンの変貌ぶり位に優しくしてあげるよ」
「いつだよそれ!帝人ー、フラれちまったよ」
「仕方ないよ、正臣が悪い」

いつも通りの朝を迎えていつも通りの話を繰り返す。ああなんて退屈な日々なの。日常はつまらない。

「そうだ、今日一緒に帰れない」
「えー、つれないなぁ曰ちゃん。俺じゃ足りない?」
「誤解を招く発言ありがとう。うざやさんにクレープ買ってもらうの」
「…気をつけなよ?」
「うん、ありがと」

紀田君はいつも心配してくる。正直お節介、だと認識しているの。非日常を定期的に運んでくれる「優しい情報屋さん」だからなのか、それとも。

「…そういえば、今日から新しい先生だね」
「生物の?那須島先生の代わりだよね」
「女の先生がいいなー」
「紀田君こっちこないで」
「ごめんごめん!」

今はとある事情で病院送りになった那須島先生の穴を埋めるために3月なのに急遽臨時職員がくるらしい。普通の人なのかなぁ。

「じゃ、じゃあコレだから」
「うぃーす。懐かしいなー」

学年主任、長津田先生の声が聞こえたのでそっちを見ると知らない男の人。あの人がそうなのかしら。男の人がこっちを振り返って、

目があった。






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