「えー、私がお前達の担任となる根津だ。名前を呼ばれたら返事をするように、赤市美由紀!」
「はい」
「秋田啓悟!」
「はい」
「これは…東吉 城か?何であ行に居るんだ、席へ戻れ!」
「…ちょっと待て、今なんて読んだ」
「聞こえないのか、東吉 城(ひがしよし じょう)!」
「俺の名前は!」
「!?」
「ひがしよし じょう、じゃなくて。あずま よしき、っつーんだよ!」
「へぶっ!」
「名前は個人を分ける貴重な情報の1つじゃねーか、あ゙ぁ?なーのーにーお前はな、ん、で!間違えんだよォォォォォ!」
「き、貴様、教師に暴力を振るって良いと思ってぐふっ」
「貴様じゃねー、東だ!別に教師なんて知らねーんだよた!俺の名前は東だ!」
「根津先生、プリント余ってますかー…って君!?何してるんだ!」
「あ゙ぁ?部外者は引っ込んでろ!取り込み中だ!」
「ひぃっ!」
そんな事が起きたのが4月の始め。今はあと少しで夏休み。いまだに、友達。零です。
はぁ、と溜め息を吐くと、近くの男子にごめんなさい許して下さいぶたないで殴らないで!視線を動かすだけで、女子が直角に礼を。いーくんは青井なんちゃらって巫女みたいな漢字が使われてる女の子が友達になったそうな…ちくしょう!羨ましいね!アイツいつもハーレム状態だよな!
それに、俺の生まれつき黄色いというか、色素の薄いレモン色の髪が悪目立ちしてます泣きそう。色々な思考を巡らせていたらチャイムが鳴った。また今日も俺はぼっちです。やってらんねーな、ぼっちたのしすぎるぜーケッ。
「ま、間に合った…」
「…はよ、沢田」
「え、あ、お、おはよう!?」
声を掛けたらビクッ、と驚いて(怯えて?)いるのは隣の席の沢田綱吉。通称ダメツナ。
「なんか顔青いけどなんかあったか?」
「え!?(まさか吉城君に話しかけられるとは思わなかったんだよ!)じ、実は家に変な赤ん坊が来てさ…」
「沢田って結構苦労性?」
「まぁ、ね…オレダメダメだし」
「ふーん。俺の兄貴の方も酷いぜ、人を殺せるカレーをいとも簡単に作れる」
「どんなカレーだよ!っあ…!(ヤベ!吉城君に突っ込んじゃった!)」
「………ぷっ、ひゃははははは!お前面白いな沢田!」
「え、え、え?」
「よろしくな沢田」
「あ、うん!」
珍しい。
こんな反応をする奴初めて見た。しかもツッコミの才があるなコイツ。………、
舌舐めずりに後退り
(いいモン見つけた、)
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