ギャーギャーと騒ぐ声が聞こえてすぐに一番奥の部屋が沢田の部屋なんだな、と分かった。アイツ家も騒がしいのかよ。まぁレンとかアスとか人識とかうちの家賊よりはマシな方なんだけれど。
一応俺客だからちゃんとノックしてから返事は待たずに入っ「ってー!!!」
…アレ?
なんかゴンつった?ゴンってなんかに当たった?
「何しやがるんだ!」
「おー五話寺か!ワリーな!」
「獄寺だ!お前謝ってんのかそれとも貶してんのか!?」
「どっちもだ」
「テメェ果たす!」
「真っ昼間からそんな事言うなよなひゃっははははは!」
「ちょ、2人共止めてー!?」
「獄寺と東仲いいのな」
どうやら勢い良く開けたドアが見事に獄寺後頭部にクリティカルしたようです。ポケモンで言うなら「きゅうしょに あたった!」ですね良かった獄寺で。あ、そうだ。
「沢田ー、俺たまに(大体週3、4くらい)飯食いに来るから」
「はあぁぁぁぁぁぁ!?副音声たまにじゃねー!」
「お袋の味について話したらそういう成り行きになったんで。
それともっと沢山友達作れよー、奈々さん心配してたぜ?」
「なっ、母さん!」
「何でおまえみたいな奴が十代目のお母様の料理食うんだよ!」
「俺は兄貴の料理を食いたくないんだ!分かるか!?腹減って腹減って仕方無い時にアイツが飯を作っていたという絶望感が!知ってるか、アレが作るカレーはな、ルーを大量投入してんのにカレーの匂いがしないんだ!」
「「「うわぁ…」」」
「ベランダから命からがら逃げ出さないと俺の胃が爆発する。食べた暁には食中毒っぽい症状出るし胃薬は効かねぇ、そりゃ学校休んで寝込むわ!」
「だからたまに顔色悪いのー!?」
「それもあるけど大体サボって不良殴るかカレー食べなかったって兄貴にバトロワ紛いの鬼ごっこや煙草と酒買ってパチンコ行くかだよ」
「休日の駄目な親父みたいだよ!ていうか学生なのにそんな事しちゃ駄目だろ!?」
「じゃあ忠犬五話寺君は良いんですかーアイツ煙草どころかダイナマイト持ってますーしかもノーベルさんが悲しむ使い方してますー」
「何遍言えば気が済むんだオレはご・く・で・ら、だ!
それになんで知ってんだよんな事!」
「俺天才だもの。さーって沢田と山森プリント解けた?」
「それがちーっともなのな、この位しか出来てねーよ」
「一応獄寺君に教えてもらってこの位までなら進んでるけど…って山本だよ名前!山本も間違えられた事に気がついて!」
必死に突っ込む沢田を山本がクールダウンさせると忠犬がきゃんきゃん喧しい声を上げる。
まぁ俺はそんな事気にせずにプリントとシャーペンを取り出した。あー怠い。眠い。
「えーっとここはこうだからー」
「東君すごっ」
「獄寺より解くの早いな!」
「わんちゃんより早いのは当たり前だろ?」
「てめっ、馬鹿にしてんのか!」
ひゃはははは、貶してんの。と言えば更にぎゃんぎゃんと吼えたてる喧しい獄寺きゅん。煩いなー俺腹いっぱいだから眠いの。
「あ、沢田問6求めんのyじゃなくてxな。終わり疲れた!」
「さ、30分で解けんの!?」
「俺を舐めんなよなーって訳で寝る!」
「えええええ!?」
叫び声も怒鳴り声も直ぐにフェドーアウト…
溟海に沈んでゆく
(電車で寝ると首が痛ぇ)
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