零崎逆識の人間三昧 | ナノ




▼ バレンタインその3(2013)



全員分作業を終え、俺が夕飯を作ってやり現在午後7時。各家庭には連絡済みなので大丈夫、な筈。人識に裏切り者扱いされたが俺は気にしない。いや意地でもカレーは食べたくない、ジャイアンシチューも真っ青なあのカレーを食べる勇気は俺には無い。

「なぁ東ー、何作ったかそろそろ教えろよ」
「あれ分かんなかった?」
「分からねーに決まってんだろうが!」
「じゃあそろそろ出してみるかー」

冷蔵庫からバット×4を取り出し、ラップの端と端を持って中身を取り出す。形は…崩れない、よし。1つのバットにコーンスターチを出しておく事にした。別に自分で食うにはどうって事ないんだけど贈り物するんだったらラッピングしなきゃマズいもんな…面倒くせ。

「なんだこれ?」
「型抜いて食えよ、分かるぜ」

にぶちんだなぁ、と思いつつ小さめの型抜きで抜いて、手渡す。もう分かるだろ分かってくれ。

「まさか……グミ?」
「うん」
「グミって作れるの!?」
「作れなかったらどう市販されてんだよ」
「グミの木あるよな」
「それは別モンだ野球バカ」
「意外といけるな…甘ぇ」

顰めっ面の俺以外はうまそうにグミ(っぽいもの)を食っている。意外と作れるモンだよなぁ。

「食い過ぎんなよ」
「はーい」
「コーンスターチ?まぶせば良いのか?」
「あぁ、くっつきにくくなるから。気休め程度だけど」
「ラッピング出来ましたよ!」
「すごっ」

作ってしまえばあとは簡単、型抜きしてコーンスターチまぶして小分けにラッピング。各自自分の分は家に持ち帰り、冷蔵庫に入れときゃあバッチリだ。

「チョコとかじゃなくて良いのかな?」
「良いんだよ、大抵のプレゼントはチョコかケーキかクッキーだ。ワンパターン過ぎると飽きる」
「確かに…しかも女子って友チョコ交換しまくるよな」
「インパクトが大事って事か」
「グミ作る人そんな居なさそうだもんね」
「そーいうこった」

俺に出来る事はここまで。
後は各自の頑張り所だなお兄さん応援してるよー。

「皆誰にコレあげる?」
「俺オヤジとおふくろかな」
「十代目受け取って下さい!」
「あ、明日ね…東君は?」
「俺ー?んー…秘密かねぇ」
「ノリが悪いぞ東ー!」
「十代目が聞いているというのに!」
「あーうっせうっせ」
「あはは…」

チョコの代わりにハートをあげる!

「うまいじゃんこのグミ」
「マジで?本当に?」
「おねーさんは嬉しいよ、逆識」
「作った甲斐があったぜ」
「じゃあアタシからもハッピーバレンタイーン!まさか食えねえとは言わないよな?」
「まさか!甘さ控えめなんだろ?」
「そうだけど」
「潤ちゃんから貰えるならもう義理でも何でもハッピーさ!」
(いーたんにあげるのより遥かに手間暇掛けてるっつーたらなんて反応するんだろうコイツ)


―――――
グミの作り方は本当に適当です、去年作った私が言ってみます。グミと言うよりかはゼリーとグミの中間(グリー?)っぽいです。興味ある方はググって下さいませ

ハッピーバレンタイン!




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