零崎逆識の人間三昧 | ナノ




▼ え、そんなことないぜ?



「よし、用意は良いな」
「あぁ…じゃあ」
「一回勝負だ。行くぞ!」
「「「グッとパーでわっかれっましょ!」」」
「うわーダメツナと一緒かよ!」
「宜しくな東」
「うーっす」

現在21時22分――自由時間。余程騒いだりしたり変な事をしなきゃ先生がやって来ることも無い、自由時間だ。一応予定では21時55分頃先生が見回りに来て22時消灯になっている。だからそれまではフリータイムって訳だ。ま、当然中学2年生の男子諸君はくっだらねー事しか考えない訳です便乗してやりますよえぇ。ちなみに各教室男女それぞれ2部屋、合計4部屋×3クラスで泊まっている。例えばA班男子B班男子で1部屋みたいなモンだ。俺達の寝泊りする部屋に今2−A男子は勢揃いしています、今から何するかって?そりゃもちろん修学旅行の定番中の定番。

「それでは只今より第1回枕投げ大会を始めます!じゃあ言い出しっぺの渡辺説明ヨロシクー」
「じゃあ今からルール説明を始めるぞ、」

渡辺の説明を纏めてみよう。チームはA組男子18人を半々に分けた9対9で行う(これがが冒頭に繋がる)。陣地は今居る部屋を3分割して、端はお互いの陣地で真ん中の空き地は中立地帯だ。布団を壁にして隠れる場所は各チーム3つあるが中立地帯にはない。投げられた枕は枕で相殺しないとダメ、つまり投げられた枕をキャッチして投げ返すのはアウトだ。当たっらアウトですぐその場に倒れる事、復活するには味方に枕で10回叩かれなければならない。…随分と細けールールだな。日本には枕投げ協会があるって噂は本当だったのか?間違えちゃあいけないのは枕投げ、であって枕合戦ではない。そこん所詳しく知りたいヤツは悪い事は言わないググっとけ。

「じゃあ互い陣地に分かれてくれ」
「眼鏡付けてるヤツは外しておけよ!」
「マジかよー見えねえじゃん」

おっといけないいけない眼鏡を危うく壊す所だったぜ。他の眼鏡ユーザーと比べて視力はあるからいいんだけど色がなぁ…ま、敵味方の区別が色じゃなくて服装ってのが唯一の救いかな。

「あ、東そのシャツ…」
「貰いモンだ」
「そうなのか…」

クラスメイトの1人から怪訝な目を向けられたけど何だったんだろう?このTシャツ変な事書いてないと思うんだけど。変な英文書いてないし。書いてあるのは日本語で「はかたのしお」だから別に変じゃないだろ?

「よし、制限時間は今から10分だ。よーい、スタート!」
「おりゃあああ!」
「弾!弾寄こせ!」
「ヘブフォッ」
「長崎ー!」

正にカオス。飛び交う枕、叫ぶ俺達。相手に山本と獄寺が居るのが厄介だ、長崎(サッカー部)が枕に埋もれている…ご愁傷様。なーんて悠々してらんないな。

「ヒィー!」
「沢田ボケッとすんな弾寄こせ!」
「ハイ!」
「どっせい!」
「うぶっ」
「いけ東!」

俺だって枕投げやりたい!青春したいもの!結局何回も枕投げをやる事になり、ギリギリまでやっていた結果。

「お前等ーそろそろ消灯だぞ。…なんかこの部屋暑くない?」
「「「全然暑くないっす」」」
「そう、か…?ならいいか」

え、そんなことないぜ?
(食後の運動ってヤツですよ!)


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