▼5

『ご、ごめんなさいっ、ちょっと遅れまし…わっ!』
指定された時間は朝の7時。
普通、10分前ぐらいにはついとかなくちゃいけないんだろうけど、
私は少し寝坊をしてしまい、着いたのは7時2分ほど前だった。
少し焦り気味でドアを開けると桐くんと、白星さんがあ、えっと…
抱き合ってました。
『お、お邪魔しましたっ』
慌ててドアを閉める。
中からなにか言ってる声が聞こえたけど、無視しちゃった。
ちょっと顔が熱い。多分私の顔は今赤いんだろうな。
キィ―
音を立ててさっき思いっきりしめたドアが開く。
そして中から白星さんだけがでてきた。
『あ、あの、白星さんって…、桐くんとぉ!?』
倒れるように私に抱き着いてきた白星さん。
具合でも悪いのかと一瞬頭が真っ白になる。
『しっ、白星さんっ!?だいじょ…』
「……上からバスト」
ぱっと私を離しバインダーに何かを書き込んでいく彼女を横目にやっと理解した。
『なるほど、スリーサイズをはかってたんだ、』
「えぇ、ヒップ―っと…。」
……抱き着いただけでスリーサイズをはかれる白星さんって何者なんだろう。
最近のプロデューサーさんってここまでできないといけないものなんだろうか。



「あとこれスケジュール表。徹夜で考えた。」
部屋に入り、渡された紙に目を通す。
欄内がほぼ黒い。ぎっしりと詰まっている。わぁ…、
「ボイトレ…ダンス…撮影…」
「毎日予定びっしりだねぇ、ありゃりゃ」
見事に休みがないこの予定表。
なんでだろう、もう目の前が霞んできた。
「あっここだけ予定ナシだ。」
一彦くんが見つけた空白の欄をわたしも見る。
「…ちょうど一か月後…か」
『うーん、休み…なのかな…?』
頭の中の警報機が鳴った。
あの白星さんだ、そんなはずはない。
きっとこの空白の日には何かがあるんだろう。
「…6人ともよく聞いて」
白星さんの声に口をぎゅっと閉じて、視線を移す。
「?」
みんな頭の上に疑問符を浮かべる。
もちろん私もだ。
「6人には今日から1か月私と一緒に暮らしてもらいます!!」
「……はぁ!?」
『……ん?』

ぎゅっと閉じた口が開いた。




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