昔々ある山の中に、赤ずきんちゃんとよばれるとってもかわいい感じの女の子がいました。赤ずきんちゃんは働き者で、おかあさんとお父さんを手伝って毎日ちゃんと働いていました。
しかし、そんな平和で楽しい毎日を送っていたある日、突然恐怖はやってきました。
山の中にあった唯一の隣人の家が、おかしの家になってしまったのです。もちろん山の厳しい生活の中で、おかしの家が耐えられるわけもありません。雨が一度降っただけで、ビスケットの壁はフニャフニャになり、崩れてしまいました。
赤ずきんちゃんのお友達でその家にすんでいた白リボンちゃんは、赤ずきんちゃんの家で哀しみに暮れていました。
「そりゃあ、あたしだっておかしは大好きよ、とっても甘くて幸せになるもの。でも、あんなのひどすぎるわ! 私のおうちがみんなおかしになっちゃうなんて。もうおかしなんて見るのもいや!」
「泣かないで白リボンちゃん、わたしだって悲しいわ。なんども遊びに行ったあなたのおうちがアリさんに食べられちゃうなんて」
赤ずきんちゃんは白リボンちゃんを一生懸命慰めました。カワイイお花をつんできてあげたり、楽しい歌を歌ってあげたりしました。でも、白リボンちゃんの表情はあまり明るくなりません。無理して笑っているような白リボンちゃんを、赤ずきんちゃんは見ていられなくなりました。
「わたしが白リボンちゃんのおうちをおかしに変えたやつをやっつけてくればいいんだわ!」
こうして、赤ずきんちゃんの長い旅は始まったのです。