エピローグ -side黒子-


※R18はエロではなくグロの方です。
流血表現などがありますので、何でも許せる方のみお読みください。




赤司君が黄瀬君と僕の家を出ていった日から三日が経った。

「…ここですね」

今、僕は赤司君の家の前に来ていた。
あれから二人共学校に来ていない。
胸の騒つきが収まらなくて、どうしたのか聞くためにここに来た。
少し緊張しながらインターホンを押す。

「…出ないですね。いないのでしょうか…」

もう一度押そうとしたとき、玄関が開いた。

「…テツヤか。どうしたんだ?」

「…赤司君」

玄関から出てきたのは、少しやつれていて目の下に薄らと隈ができている赤司君だった。

「学校休んでいるので心配していたんです。大丈夫ですか?少しやつれています」

「大丈夫だ。心配かけてすまない」

「それならよかったです」

…気のせいでしょうか。
赤司君に睨まれている気がします…。

「…あ、黄瀬君も来ていないのですが、何か知りませんか?」

「………」

黄瀬君の名前を呼んだ瞬間、一層目を細めて僕を見る。
しかし、すぐに笑顔で話し始める。

「…涼太なら、僕の家にいるよ」

「…え?」

「涼太に会うか?」

「………」

笑顔なのに、恐怖を感じるのはなぜだろう。
それに、なんで黄瀬君が赤司君の家にいるのだろうか。
騒つきが一層大きくなる。

「…会います」

そう言うと、中に入るように促される。
玄関に入った途端、生臭い匂いが鼻を掠めた。

「こっちだ」

顔をしかめる僕に言って、赤司君は歩きだす。
黙ってついていくと、一つの部屋の前で止まった。
歩くごとに強まっていく匂いの正体が、今やっと分かった。

………血だ。

なんでそんな匂いがするのか。
考えても答えは一つで、前にいる赤司君を見る目が揺れる。

「涼太、テツヤが来てくれたぞ」

扉を開けながら言う赤司君の後ろから部屋を覗いた。

「──っ!?」

何をしたらこんな…。

吐きそうになるのを必死に堪える。

「…黄…瀬、君…」

黄瀬君はベッドの上で寝ていた。
だが、片足が太ももから下がなく、床に落ちていた。
その周りが血の海になっている。

「……死…っ?」

「そんなわけがないだろ?もちろん生きてるさ」

血の上を通って黄瀬君の隣に行き、頬をペタペタと叩いた。

「黄瀬君…っ」

前よりも傷が酷い。

これを赤司君がやったというのか…?

「…あ、黒子…っち…?」

「黄瀬君!よかった!」

薄らとだが目を開けた黄瀬君に安堵する。

「どうしたんすか…?遊びに来たんすか?」

「…遊び?」

こんな状況で何を言ってるのか。
よく見ると、目の焦点が合ってなく、光もない。

「遊びに来たんじゃないです!この傷や足、どうしたんですか…!?」

「…これっすか?赤司っちがやったんすよ、全部」

「…!」

「でも、これは俺を愛してるからなんだって赤司っちが。傷の数はそれを表してるって」

そんな…。

こんなのは愛なんかじゃない。
例え愛だとしても狂愛だ。
狂ってる。

「俺ってこんなに愛されてたんすね!この傷見るたびに嬉しくなるんすよ!」

「……黄瀬君…」

壊れてる。
ここにまだ少ししかいない僕でさえおかしくなりそうなのに、ずっとここにいる黄瀬君はもう思考がおかしくなってしまったんだ。
前はこんな風に作られたような、人形のような笑い方ではなかった。
人懐っこくてキラキラしてて、見てるこっちも幸せになれるようなとても輝いている笑顔だった。
それが、たった数日の内に変えられてしまった。

…赤司君の手で。

「涼太、テツヤに言いたいことがあるんだろう?」

「…言いたいこと?」

「あ、そうだった!」

がばっと手を使って起き上がると、僕に抱きついてくる。

「俺ね、ずっと前から黒子っちが好きなんす。赤司っちの気持ちはすごく嬉しいんすけど、やっぱり黒子っちが好きっす」

「……え…」

「だから、一緒にここにいよう?三人でずっと!」

「…涼太、それは許した覚えはないが」

「えー、でも俺、大好きな黒子っちと赤司っちとずっと一緒にいたいっす!離れたくない!」

「…なら、条件付きでなら許してやる」

「ホントっすかっ?」

僕の意思は関係なく、話はどんどん進んでいく。

こんなところにずっといるなんて…。

考えただけでもゾッとする。

「…人形としてなら許す」

「っ!?」

「意思も持たない、動かない人形としてなら許す」

「黒子っちといれるならなんでもいいっす!」

それはつまり、僕を…。

「やったっすね!これでずっと一緒にいられるっすよ!黒子っち!」

赤司君が不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる。
僕の運命は、この家に入ったときにもう終わっていたのかもしれない。


僕が人形になるまで、あと───。



―END―

自分でも驚くほどグロくなってしまいました←
赤司様病みすぎました←
Oh!!!!


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