憧れから好きに変わったのは、いつ頃だっただろうか。

青峰っちのプレーに魅せられて、憧れて、少しでも近付けたらとバスケを始めた。
でもいつの間にか、恋愛感情に変わっていた。


「青峰っちー!」
「あ?何だ黄瀬か」
「何だってなんすか!」
「いーや、別に。あぁ、そうだ、部活終わったらどっか食いに行かねーか?」
「え!行く行く!もちろん行くっす!」
「おー。じゃ、マジバでも行くか」

青峰っちから誘われることなんてあまりないから、嬉しくて舞い上がってしまう。
けど、ふと頭に過ったことに、顔を曇らせる。

「…あ、すいません、そういえば今日、用事があったのを忘れてたっす…」
「ならしょーがねーか。テツでも誘って行くわ」
「…はい」

本当は青峰っちの誘いに乗りたかったけど、先に入っていた用事も俺には同じくらい大切なものだった。


******


「…ん…っは、あ…!」

放課後、俺は薄暗くて誰もいない部室にいた。
誰もいないと言っても、俺たち以外は、だ。
今、目の前には赤司っちがいる。

「今日、大輝に誘われていたのに、こっちを優先して良かったのか?」
「…見て…た、すか…ぁ」
「好きな人を見ていたいと思うのは普通だろ?」
「んぁ…、あか、しっ…」

赤司っちは、俺が青峰っちを好きなことを知っていながら告白をしてくる。
でも、それを押し付けてはこなく、むしろ俺を応援してくれる。
何で応援してくれるのかと前に聞いたら、悲しい笑顔で「片思いの辛さは僕もよく分かるからね」と一言。
こんなに俺を思ってくれているのに、答えられなくて胸がきゅっと痛む。

お互いに埋まらない気持ちを紛らわせるために、たまにこうして体を重ねている。
俺は青峰っちを思いながら。

部室の扉には、赤司っちがいつも鍵を掛けてくれていた。
だから安心していて気付かなかった。
扉の向こうの人影に…。


‐END‐

2に続く



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