「涼太が可愛すぎてどうにかなりそう」

「…病院行きますか?」

「もう本当になんなのあの子天使なの天使なのか天使なんだろそうなんだろどうなんだよ!」

「いや、天使ではないです。黄瀬君はれっきとした人間です」

「なぁテツヤ。僕は頭がいかれてしまったんだろうか。何をしていても涼太の笑顔が頭の中を独占して離れないんだ…」

「いかれてますよ。怖いほどに」

「あぁ、僕の涼太。地に舞い降りた女神のような輝かしい微笑みに子犬のような可愛すぎる小悪魔な性格、誰もが振り向くスラリとしたルックス。完璧すぎてもう僕を萌え死にさせる為の神の悪戯としか思えない」

「僕は赤司君のその残念すぎる脳内が神の悪戯だと思います」

「馬鹿なところがさらに萌える!馬鹿可愛いっ!涼太ぁっ!」

「…あの、そんなこと惚気るためにわざわざ東京まで来て僕をマジバに呼んだんですか?どれだけ暇なんですか」

「…すまない。京都には惚気る相手がいないから取り乱してしまったよ。本題に入ろう」

「やっと本題ですか」

「…実は…」

「はい」

「…実は、涼太に悪い虫がついていないか心配なんだ」

「………真剣に聞いた僕が馬鹿でした。赤司君から黄瀬君以外の話題が出ない訳なかったですね」

「だって考えてみろ?いくら毎日メールや電話をしているといっても、涼太は寂しがりやなんだ。僕に会えない悲しみに付け込んで、どこぞの野郎が涼太の身体を狙っているかもしれないんだぞ!?」

「…赤司君の頭はやはりいかれてますよ。周りまでホモにしないでください。恋は盲目、とは正にこのことですね」

「テツヤには分からないだろうが、涼太には人を魅了するものがあるんだ。フェロモン、と言うのだろうか」

「えぇ。全く分からないです」

「なぜテツヤに涼太のフェロモンが効かないのか疑問だが、お前以外のキセキは全員やられたぞ。涼太のフェロモンに」

「!?…冗談、ですよね?青峰君たちそんな素振り全然見せなかったじゃないですか。黄瀬君に言い寄ったりとか…」

「冗談なんかじゃないぞ。それに見せなかったんじゃない、見せられなかったんだ。少しでも僕の涼太に手を出したり口説いたりしたら、即刻報復という名の処罰を与えていたからな」

「…まさか僕の知らない内にそんなことが起こっていたなんて」

「キセキには十分すぎる程釘をさしておいたから大丈夫だと思うが、問題はその他だ」

「その他、とは?」

「涼太の高校のバスケ部員やクラスメイト、テツヤのところのバカ神とか言う奴に、真太郎のところの笑いのツボが浅いずっと笑ってる奴、あとモデル仲間もだな」

「…多すぎませんか?というか、バカ神じゃなくて火神君です。それと高尾君」

「いいや、これでも結構絞り込んだ方だ」

「どれだけいたんですか…」

「で、その火神とかいう奴はどうだ?涼太にちょっかいだしてないだろうな?」

「…だしてないと思いますけど…。メールなど電話はたまにしてるみたいですが」

「なんだと!?完全にだしてるじゃないか!」

「えっ、メールや電話もダメなんですか?心狭すぎじゃないですか?」

「メールはいいが、電話はダメだ!もしその電話を火神から涼太にかけているとしたら確実に惚れてる証拠だからな!」

「…え、火神君からよくかけてると思います…、えっ、えっ、火神君…そうだったんですか!?」

「ちっ。やはり糞虫がついていたか…。心配で東京に来て正解だったな」

「…そんな…火神君までそのフェロモンというのにやられていたなんて…。そういえば電話してる時の火神君、いつも嬉しそうだったような…」

「よし、今から火神に報復という名の処罰を与えに行くとしよう。鋏を持ってきておいてよかった」

「えっ!?ちょっ、鋏で何する気ですか!?…ん、あれ、メールが…、黄瀬君?」

「涼太!?」

「…『今緑間っちと和成君と遊んでるっス!めっちゃ楽しいよ!黒子っちも火神っちと一緒に来なよ!』だそうです」

「…和成君?」

「あ、和成君は高尾君のことですよ」

「名前呼び…だと!?高尾許せん!」

「黄瀬君確か灰崎君も名前呼びでしたよね?灰崎君はいいんですか?」

「あれは論外だ。涼太は灰崎のこと嫌っているから構わない」

「は、はぁ…、あ、画像が添付されてまし…、!?」

「ん?画像がどうした?」

「い、いや!なんでもないです!」

「…怪しいな。なにが送られてきたんだ?見せてみろ」

「だっ、ダメです!」

「…見せろ…?」

「ぅ…、ど、どうぞ…」

「……な…、こいつ!涼太の頬にキスしてるだと!?なんで涼太も笑っているんだ!」

「…あぁ…、僕は何も知りません…」

「高尾…まずはこいつから罰を与えるとしよう。そうだ、鋏を買い足さなければな。足りなくなるかもしれない」

「…赤司君の顔が見たことないくらい怖いです…。鬼の化身…いや、正に魔王…っ」

「ほら、行くぞテツヤ。涼太の元へ」

「僕も行くんですか!?」

「もちろん。それに、火神も呼べ。今すぐに」

「……火神君、ごめんなさい、赤司君には逆らえないんです…」

「…さぁ、深紅に染まるショータイムの始まりだ」

「せめて、僕は影で皆さんの無事を祈ってます…」


─END─

戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -