僕と一緒に



「涼太っ!!」

「黄瀬君っ!!」

「うわ!?えっ、どうしたんスか二人共っ?そんな張り詰めた顔して?」

「僕と一緒に二人で帰ろうっ!!」

「僕と一緒に二人で帰りましょうっ!!」

「ま、またっスか?この頃毎日っスけど、二人じゃなくて三人で帰ろうよ…、ね…?」

「それじゃ意味がないんだ!」

「キミと二人で帰るからこそ、いいんです!」

「えー…、でもハッキリ言って、俺どっちかなんて決められないから困るんスよ…。どうしても三人じゃダメっスか?」

「ダメだ、絶対」

「二人がいいです」

「…ぅー…」

「…涼太が困っているじゃないかテツヤ」

「それはこちらの台詞ですよ赤司君。キミ昨日黄瀬君と二人きりで帰ったじゃないですか。今日は僕に譲ってくれてもいいと思うんですが」

「そんなのは関係ない。昨日ジャンケンで決めようと言ったのはお前だろう?それに負けたのもお前だ。文句は受け付けない」

「あれはキミが後出しばっかりするからじゃないですか!あんなのは勝ったとは言いません!ただのズルです!!」

「ちょ、ちょっと二人共…っ」

「ズル?僕はズルなんか一回もしていない。負け惜しみはみっともないぞ」

「負け惜しみなんかしてないですよ!とにかく、今日は譲ってください!」

「嫌だ」

「譲ってください!」

「答えはノーだ」

「この…、」

「あ、えっと!赤司っち!今日は、その、黒子っちに譲ってあげてほしいんスけど…っ」

「…なんだって?」

「…黄瀬君」

「赤司っちとは昨日一緒に帰ったし、順番ってことで、ね?」

「…涼太はテツヤと帰りたいのか…」

「えっ!?ち、違うっスよ!そうじゃなくて…!」

「そうか…、涼太がテツヤと帰りたいのなら仕方がないな…」

「だから違うんだってば…!赤司っちとも帰りたいっスよ!だけど…!えっと…!…、……あ゛ー!!」

「…ちょっと赤司君、下手な芝居で黄瀬君を困らせないでください。頭抱えて蹲っちゃったじゃないですか」

「涼太がテツヤと帰ろうとするからだ」

「どれだけ大人気ないんですかキミは。主将なんですからここは寛大になって引いてくださいよ」

「それはそれ、これはこれ、だ」

「…金持ちは金持ちらしくベンツにでも乗ってセバスチャンと帰ればいいと思います」

「金持ちだからって車で帰るとは限らないぞ?それに僕の家はベンツじゃなくてフェラーリだ」

「どっちでもいいです金持ち滅びろ」

「あと僕の家の執事はセバスチャンじゃなくて佐藤だ」

「異議ありっ!!執事と言えばセバスチャンでしょう!?」

「小説の読みすぎなんじゃないのかテツヤ。現実に、しかも日本にそんな名前の執事なんかなかなかいないぞ」

「いますよ!」

「夢見すぎだ」

「夢を壊さないでください!」

「………」

「………」

「…、じゃなくて、話がズレてるな」

「…あ、どっちが黄瀬君と帰るか、でしたね」

「僕だ」

「僕です」

「………」

「………」

「これじゃ埒があかないな」

「そうですね。ではこれまでと同じで何か勝負して決めましょう」

「負けても恨みっこなしだぞ?」

「大丈夫です。今日は僕が勝ちますから」

「無理だと思うが。何で勝負するんだ?」

「…そうですね、ここは平等に黄瀬君に決めてもらいましょう」

「ぅえっ!?俺!?俺は遠くから成り行きを見守ってるだけでお願いしたいんスけど…」

「お前を取り合ってるのにお前がいなくてどうする」

「さあ、何で勝負するか決めてください」

「えー…、………じゃあ…モノマネ勝負…とか…?」

「…なぜそれをチョイスしたんだ」

「…もっとマシなものはなかったんですか」

「だって、ジャンケンは昨日やったみたいだからダメかなって思って、他に思いつかなくて…」

「…まぁ、涼太に決めさせたのは僕らだしな、やるしかない」

「そうですね、一発勝負です」

「じゃあ、まずは僕からやらせてもらうよ。僕はふ●っしーのマネだ」

「!?」

「!?(なんでそれ!?)」

「ヒャッハアアアアアァァアァァァアアアァ!!!飛べない梨はただの梨ナッシーイイイィィイィイイイィ!!!!!!梨汁ブシャァァァァアアアアアアアア!!!!」

「」

「」

「…どうだ?結構似てる自信あるんだが」

「…なんていうか…その…、めちゃくちゃ似ていたんですが…」

「…うん…ビックリするくらいすごい似てたんだけど……」

「なんだお前たち、そんな変な顔して」

「……赤司君のそういうのは……なんていうか…」

「…見たくなかった…っていうか……」

「どういう意味だ?」

「…いえ、やっぱり何でもないです。次は僕ですね」

「そ、そうっスね!次は黒子っちっスね!」

「…?」

「僕はハリー●ッターのマネです。…エクスペクトッパトロオオオォォオォーナアアアァアァムッッ!!!!!……、どうでしょうか?」

「やるなテツヤ…」

「似すぎっス!まんまハリーっスね!」

「それほどでも」

「…で、どっちの方が似てたんだ?涼太」

「俺が決めるんスか!?」

「当たり前じゃないですか」

「……うーん…、どっちもすっごく似てたんスけど…、ホントにそっくりだったんスけど……、…黒子っちの勝ちで…」

「!?」

「!!ありがとうございます黄瀬君!」

「どうしてだ涼太!!僕のふなっ●ーの何がいけなかったんだ!!」

「…あ、あの、…赤司っちのああいうのは、出来れば見たくなかったな…って思って…」

「だから意味が分からないぞ!」

「まあまあ赤司君。敗者は潔く引いてください。それと、そのモノマネ、もうやらない方がいいと思いますよ」

「っく…!…明日は必ず僕が勝つからな…」

「明日も僕が勝たせてもらいます。では帰りましょう黄瀬君」

「う、うん…。赤司っちまた明日」

「…あぁ」


******


「…赤ちん……」

「赤司のふ●っしー、似てるけどこええ…」

「…毎回部室でやらないでほしいのだよ…」


‐END‐

遅くなってすみません!
愚かな争いにしすぎました!←
リクエストありがとうございました!


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