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今日は俺、有栖川斗亜の高校の入学式で8時40分までには着かないと間に合わないんだけど
「やばい!遅刻する!!」
家においてあるネコの洒落た時計を見るとそれはもう8時30分を指していた
歩いて15分の距離にある高校には走れば何とか間に合うかもしれないと俺は急いで家から飛び出したんだけど
絶対、昨日遅くまで仕事の反省会をしてたのが原因なんだよなぁ
玲の野郎、覚えておけよ
そんなことを考えながらも俺は休むことなく走って高校へ向かったんだけど正門に着いたときにはもう閉まっていて腕時計を見ると8時42分だった。
俺の足が遅いのは認めるけど2分遅れただけで普通閉めるか?
もっと開けててくれてもいいと思うんだけど・・・
そんなことを考えるよりもまずは、どうにかこの門の先に行かなきゃなんないんだよな。
とりあえず門に近寄ってみると防犯カメラが設置されていてむやみにこの門を上ったりしたらワコムが駆けつけて来そうなので門を上るのをやめた
何かないか思い校門を見渡してみるとそこにはインターホンらしきものが・・・
取り合えず、ダメ元でこれ押してみるか
俺はそのインターホンに近づきそっと指でボタンを押すとインターホンについているランプが緑に点灯して
「ご用件はなんでしょうか。」
と透き通ったとても聞き心地のいい男の人の声が聞こえた
しばらくの間、聞き惚れていたがインターホンから"あの"と少し戸惑ったような声が聞こえたため俺は慌てて
「新入生の有栖川斗亜ですが、遅刻をしてしまって・・・。中に入れて頂けませんか?」
といったのだが言っているうちに不安からかなんだか声が小さくなってしまっていた。
インターホン越しに男はそれを感じ取ってくれていたらしく「分かりました。ではすぐそちらへ向かうので待っていてください」と優し気な声でそう言ってくれて俺の不安は少し除かれた気がしなくもない
しばらく待っていると奥の方から黒髪ウルフカットの綺麗な顔立ちをした男が歩いてきた
眠たいのか少し欠伸をしながら髪を弄っている姿にぼおっとしてしまいあれは男だぞと自分に言い聞かせている内に近くに来ていたらしい男は先ほどの透き通った声で
「君が有栖川斗亜君だね。今回は特別に開けるけど入学早々、しかも入学式に遅刻なんてしないように。」
と説教じみたことを言われたが校門のカギを開けてくれてやっと中に入ることが出来た
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