『1番線に電車が参りますので、白線の内側までお下がり下さい』


2番ホーム



駅員のアナウンスが流れ、その後電車がホームへと近づいてくる。
みすずは1番ホームで電車をそわそわしながら待っていた。東京に行くためで、その待ち合わせに遅れそうだからだ。それからすぐに1番ホームに電車が入ってきた。
しかし彼女はその電車には乗らなかった。向かいの2番ホームに省吾がいて、電車がホームに入る寸前で彼の姿に気付いたからだ。
みすずは手を振って自分の存在を教えようとするが、すぐに省吾のいる2番ホームにも電車が来てしまい、彼は気付く事なくその電車に乗っていってしまった。

おかげで、みすずは次に来る電車に乗るハメになり、待ち合わせに遅刻してしまった(そもそも前の電車に乗ってたとしても、少し遅れはしていたのだが)。

次の日、学校でみすずは、省吾にあんたのせいで遅刻したと文句を言ってやると、「自分のせいじゃない」とか「そんな理由で怒られるなんて理不尽だ」とか文句をつけてきたが、そんな事は彼女にはお構いなしだ。
何故なら、2番ホームにいたのが省吾じゃない別の誰かだったら、わざわざ目の前にまで来ている電車に乗るよりも優先するという事がないからだ。

みすずにとって省吾とは、目の前の重要な事をどうでもよくさせてしまう程、忘れさせてしまう程、特別な存在だということ。
たとえそれが、彼女のただの我がままだったとしても。


End

----------
何か訳分からん話ですみません。
みすずさんにとって省吾君は何よりも大事という話です。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -