11/16 13:47  

電池の切れたデジタル時計を見つめて、こいつも捨てなきゃなと疲れた目で見つめた。日本号と別れて約1ヶ月。あいつが部屋に残した自分を感じさせるものを処分しながら過ごしてきた。見るたび思い出す度好きだと思うから嫌なんだ。頭をぐしゃりとかきあげて溜息を吐く。早く忘れたいのにまだ愛は残る。



11/16 13:37  

いい加減にしろよ。静かな怒りを無理やり落ち着けたような声を捻り出した大倶利伽羅は俺にそうぶつけた。え、俺?お前以外に誰がいる。俺はいつの間にか龍の逆鱗に触れてしまったようで、重ねてその原因は俺にはわからない。
「なんで別れるなんて言ったんだ」
そりゃあ、お前
「愛してるからだよ」



11/16 13:02  

「生まれるところを間違えたな」
「は?」
「俺とお前が双子じゃなかったら、普通に恋愛をして、お前を幸せにできたのになぁ」
「まぁ、少なくとも男同士って壁はあるけど」
「そうだろう?壁は少ないに越したことは無い」
「そうかよ」

でも俺は結婚しなくても最初からお前と家族でいられて嬉しいんだぜ?



11/16 12:53  

「どうも、明石いいます」
緩慢なやる気のなさそうな声がその場に響いた。合コン、出会いを求めている女子側からしたら、ビジュアル的には大アタリだが漂うダメ男感に少し躊躇っている感じだ。隣の明石は俺に聞こえるぐらいの小さな声で「今日はあんさんが目当てなんで」と俺に告げた。



11/16 12:33  

カウンターキッチンからリビングの様子を窺う。片手に持ったマグカップには長谷部が好きな豆で淹れたコーヒー。目線の先にはノートパソコンと向き合う恋人。
「少しは俺にかまえよ」
そう呟きコーヒーを長谷部に差し出す。目線だけこちらにやるとふ、と目線を下げて少し笑う。あぁ、愛おしい。



5/12 21:05  

「国広はさ、なんで生きてんの?」
ファミレス、家族連れや学生が所狭しと席を陣取っている中で俺達も例外ではなかった。目の前の気だるげな男は手を下にぶら下げ、ドリンクバーから取ってきた烏龍茶にストローを挿し、ストローを噛みながら俺の目を見てそう尋ねてきた。
「…理由はないが、そうは言っても簡単に死ねない」
「そっか」
底をついたグラスを片手に男は席を立った。
「国広、理由がないなら俺のために生きて」
ちくしょう、反射的に頷いてしまったじゃないか。



12/18 23:54  


へし切長谷部/刀剣乱舞
(診断メーカーより)

「愛だの恋だのくだらない」と吐き捨てるように呟いた。が、俺にはそれが彼の強がりだとわかっていた。
「そうですね、主」
否定されたかったのだろう。拍子抜けしたような表情を浮かべ、控える俺を見る。
「主は俺に何を望みますか」
主は少し悩んだ上でこう告げた。
「愛のような忠誠心かな」




12/18 23:45  


大倶利伽羅/刀剣乱舞
(診断メーカーより)
(現パロ)

泣きながら好きと告げるなんて狡い。深夜2時58分。人が少ない大通りの端、電気の切れそうな明かりがバチバチと音を立てる。目の前で涙を流す褐色肌の男は美しく涙を零す。俯いているため口元はマフラーに埋まっていて、アスファルトに水の跡をつける。
「廣光、ごめんね、俺も好き」
俺の頬も水滴が走っていった。




12/5 09:27  


大倶利伽羅/刀剣乱舞
(現パロ)(大倶利伽羅廣光表記)

「ごめん、ごめん、好きなんだよ」
終電は無慈悲にも今しがた頭上の線路を走り去って行った。相手からの突然の告白。
「ごめん廣光、俺のこと嫌いになって、はやく嫌いになって」
静かに涙を零しながら、時たま上ずった声でそう俺に話す。嫌いになんてなれるわけないだろ。俺の方がきっとお前よりずっと昔から好きだった。





11/16 02:55  


へし切長谷部/刀剣乱舞
(現パロ)

帰りを急ぐ人たちが郊外に向かう電車に乗り込むのを反対のホームで二人で眺める。にげようよ、なんて馬鹿みたいな提案に乗ってくれたのは幼馴染みの長谷部。これからどこに行くのかなんて聞いてこない。人数の少ないホームで街中へ向かう電車を待つ。右手に触れた小さな温もりに気づかないフリをした。




11/16 02:50  


燭台切光忠/刀剣乱舞

友達同士で時が過ぎる。どんなに好きだって、友達で通しておけば自然な別れがいつか来て私は光忠の知らない場所で知らない人になれる。素直な気持ちを伝えればきっともう今まで通りの二人には戻れない。それならずっと嘘をつき通した方が私的には幾分もマシだった。好き、なんて今更光忠に言えないよ。




11/16 02:46  

鶴丸国永/刀剣乱舞
(現パロ)

2人きりだと何も話すことがない。皆がいると普通に話せるのに、2人きりになるとさっきまでの喧騒が嘘かのように静かになる。無言で歩く初冬の夜の街頭の下はいつも以上に寒かった。言いたいことは沢山あるのに喉から出るのは白い息だけだった。鼻を赤くした鶴丸が私を一瞥して先を歩いて行った。

(追記鶴丸視点追加 11/16)
  追記



11/13 16:54  


へし切長谷部/刀剣乱舞
(喫茶店話の続き)

あの日から足繁く通うようになったこの喫茶店。店主は32の男。祖父がしていたこのカフェを大学卒業してから手伝っていたようだ。しかし祖父が田舎に住みたいと言って店を継いだらしい。本人は自由な人でね、とにこにこ笑って話していた。
「長谷部くんケーキ食べない?」
そう言いながら空いたカップにコーヒーを注ぎ足した。顔を見て頷くと、またにっこり笑ってキッチンの方に引っ込んでいった。後ろ姿が少し楽しそうで可愛いなと思ってしまった。会う度恋に落ちて、俺はまたこの人にのめり込んでいく。




11/12 18:57  


へし切長谷部/刀剣乱舞
(現パロ)(長船光忠と長谷部国重)

長船に待ち合わせ場所に指定された場所は、下町の飲み屋街の地下でひっそりと営業している喫茶店だった。いらっしゃいませ、と優しく声をかけられる。声の元を辿ると若い30代くらいの男が1人カウンターに立っていた。かちり。目が合った。
「もしかして、長船くんのご友人さんの長谷部くん?」
優しく微笑むその顔を見てからというもの俺の心臓がうるさい。早く来い長船。




11/12 16:04  


燭台切光忠/刀剣乱舞

海外製品、ハイブランド、高級志向のコイツにはつくづく似合わない俺の部屋。畳はもうすりきれ、香りはもうしない。敷きっぱなしの薄いセミダブルの敷布団。テーブルの上には吸殻が3本ほど灰皿の中で途方に暮れている。
布団の外には脱ぎ捨てられた俺達の服、隣で眠るパンイチの男。ちなみに俺は全裸。2人は男。行為があったことを主張する腰痛、避妊具、汗ふきシート。
エマージェンシー、エマージェンシー。放送中止の甲高い音を警告音に俺の脳細胞がフルで活動する。
「光忠、なんでお前、俺の部屋で寝てんの?」




11/12 16:03  


大倶利伽羅/刀剣乱舞

日付を越えて2時間経っただろうか。枕近くの窓を北風が揺らす。今日は日中も冷えそうだ。コートにストールを出しておこう。寒がりのくせに強がる倶利伽羅は俺が防寒着を準備しなければ防寒を一切しない。で、すぐ風邪を引く。看病するのは誰だとおもってんだ、なんて思いながら迫る冬に思いを馳せた。




11/12 16:02  


大倶利伽羅/刀剣乱舞

飯もまともに食わずシーツの上に気だるげに横たわる恋人に、軽くため息を吐く。この間友人にもまともに飯を食えと怒られていたはずだが、改善の傾向は一向に見られない。
「おい」
「なに」
「飯は食ったのか」
「朝食べたよ」
「今何時だと思ってるんだ」
「20時だよ、時計見れば分かる」




11/12 15:58  


山姥切国広/刀剣乱舞

誰も知らない白い布に隠されたアイツの美しさを知っている。顔の善し悪しではなく、刀身の美しさでもなく、その心そのものが美しい。そう言うと言葉で拒否されるが、賛辞を並べ立てる俺の前から立ち去ろうとは一切しない。そういう分かりにくい心優しいところがおれは大好きだった。
汚れさえ美しい。




11/12 15:56  


燭台切光忠/刀剣乱舞

恍惚のため息。息が詰まるほど好き。触れられたらとろけてしまいそうな君。きらきらに包まれてそのまま眠りにつきたい。そんな恋を俺は欲している。

「みつただ」

好いた彼の名を呼ぶ。甘い響き。風が枯葉を攫ってからからと切ない音を立てる。その名を飲み干して俺は今日も生きていく。



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