蝶よ、花よ あっちへふらふら、そっちへふらふら。
じっとしていられない君。
次から次へと移ろう君を、皆がなんて云ってるか知ってるかい。
知っていても、きっと止めないね。
あっちへふらふら、そっちへふらふら。
その行動が寂しさだとか、孤独だとか、そういったマイナスの感情がさせているのだとい うことに、どれだけの人が気付いているだろう。
君自身、気付いてるのかな。
ひとりは寂しい?
ひとりは悲しい?
一時の交わりで君は満たされるんだろうか。
寂しくて、孤独で、悲しくて、不安定な君。
温もりで隙間を満たそうと必死にもがいている。
だから俺は君を抱かない。
俺だけが抱かない。
抱かないと云う俺を見る君の目が好きだよ。
人は傷つく生き物なんだ。
安楽だけの人生はない。
寂しさも孤独も哀しみも感じない人生は、きっと作り物だよ。
だから俺が教えてあげる、傷つけてあげる。
君の傍でずっと。
俺だけが抱かないまま。
ずっと。
END