欠陥品 俺は欠陥品だ、と彼は云った。
填めても填めても目玉が取れるという。
それは目玉が悪いのではないかと云うと、彼はマスターを侮辱するのは許さないと云って憤慨した。
その憤慨する様に欲情した。
人形相手に何をやっているのだろうと思いつつ、串刺しにした身体を滅茶滅茶に揺さぶった。
彼は泣いて許しを乞うた。
まるでヒトのように涙を流した。空っぽの右目の眼窩からも透明な液体が溢れている。目玉がないからと云って涙腺がないわけではないのだ。
仰け反り、逆流した涙が穴蔵に吸い込まれて行く。
それは酷くエロティックで羨望を覚えた俺は、涙の代わりにどろどろの精液をそこへ流し込んでやった。
俺はその日、欠陥品だという人形を買った。
END