bitch!


「頭が痛い」
「薬飲む?」
「いらない。お前に会ってからだ」
「何が?」
「頭が痛い。ずっと」
「ふうん。やっぱ薬飲む?」
「いらねえって。なんか頭ん中に虫がわいてるみてえ」
「病院行く?」
「行かねえよ。なんつぅの、脳みそ喰われて多分今俺は生物的本能だけで動いてるとかそんな感じだ」
「入院しよう」
「するかよ。つまりあれだ、えーと、映画であっただろうゾンビみたいな、食欲だけが残って手当たり次第人間襲う、ビッチが主人公やってた」
「ミラ・ジョヴォヴィッチだよ、ファンに刺されるよ――バイオハザード?」
「そう、それだ」
「つまり伊達ちゃんは俺を喰いたいわけだ」
「ああ喰いたい、喰い散らかしてお前とひとつになれたらいいのにって思ってる」
「それはあれだよ、伊達ちゃん」
「なんだよ」
「食欲じゃなくて性欲ってやつだ」
「そっか、それもありだな」
「それならありだよ。してみる? セックス」
「ああ、してえな――手当たり次第」
「それはどうよ」

(俺だけにしなよ)
(チッ、しゃあねえな。――腹一杯にしてくれよ?)
(……頑張ります)

END
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