毒の雫


 毒、だ。
 それも遅効性の毒。
 毒を飲んでしまったのだと気付いた時にはもう、全身はじわじわと蝕まれ、あらゆる器官が壊死していく。
 腐っていく己を、心を、恐怖で満たして、それでもただ見ていることしか出来ない。
 あんまりではないか。
 そうだろう?
 俺がお前に何をした。
「それはこっちの台詞だよ、竜の旦那」
 得体の知れない笑みを浮かべて、今日もお前は俺に毒を注ぎ込む。

END
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