どうでも良いことかも知れないけど、そのせいで無性にやりきれない時はどうすれば良いのかな。ほら、どうでも良いことだからさ、やっぱり人に相談しても、なにそれ、みたいな反応返されるのがオチなんだよね。
 それ分かってるから、相談する前から腹立っちゃって。
 誰にでもは相談出来ないっていうか。
 ね、分かるかなぁ、この気持ち。
「……俺は今のテメェの話で腹が立ったがな。相談があるっつうから、こうして膝突き合わせてやってんだろうが」
 わ、怖い顔。
 でもそんな顔してても美人なんだよなぁ。びっくり。
 竜の旦那には会う度に驚かされる。
「んとね、だから相談するのを迷ってるんだってば。話聞いてた?」
「テメェこそ俺の話聞いてんのか、Ah? 話すか話さねぇか、ここまで来て悩む必要ねぇだろ。話したいから来たんじゃねえのか」
 あー……そう云われてみればそうかも。
 やっぱり殿様って賢いなあ。
「うん、じゃあさ、云います」
「おぅ」
「旦那は上と下どっちが良い?」
「……What?」
「俺様としては上希望なんですけど、旦那がどうしてもって云うんなら、やぶさかではないと云いますかー」
「……おい、」
「俺様一応忍びですから? それなりに旦那を悦ばせられると思うんだよね」
「おい、こら、そこの猿」
「え、あ、それって俺様のこと? うん、何?」
「何の話だ」
「やだなぁ、だから俺様と旦那の主導権について――」
「何の」
「何って閨で、の、――って、あれ? 怒ってる? 旦那、怒ってる?」
「怒らねぇと思ってんのか……?」
「え、怒ることなの?」
「…………」
 え、何、この沈黙。
 俺様、おかしなこと云ったのかなぁ。
 真剣に悩んでんだけどなぁ。
「……ひとつ聞くが」
「え、うん、何?」
「何でそんな話になるんだ?」
「え、だって、決めといた方が良くない?」
「……何で俺がテメェとヤんなきゃなんねぇんだよ」
「好きだから、したいなあって。旦那は違うの?」
「バ……っ」
 うわぁ、真っ赤だよ、旦那。
 可愛い!
 ますますヤりたいなあ。
 いきなり押し倒したら怒るかなあ。
「……おい、猿飛」
「なぁに?」
「テメェと会うのは、今日で何度目だ」
「四回目だよ。あ、一回は戦でだけど。ここでは三回目だね」
「Ha! たった四回? それで何で好きとか云えんだよ?」
「四回じゃないよ?」
「Ah? 今四回って――」
「会うのはね。好きになったのは最初から。一目惚れだったんだよね」
「……お、ま」
「旦那は違うの?」
「…………っ」
 あ、良いなぁ、その顔。
 悔しそうな、泣くのを我慢してるみたいな。
 悪戯したくなる。
「ねぇ、旦那、さっきの相談の件なんだけど、やっぱり俺様上でも良いかな? やっぱり旦那を鳴かせてあげたくて」
 そう云ったら、力一杯頬を叩かれたけど。
 その手の平が、俺様と同じくらい熱かったから。
 まぁ良しとしますか。

END
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