欲望願望の愛情


 アンタの望みを聞かせてよ。
 たったひとつ聞かせてよ。
 そう云うとアンタは稀に見る凄艶な流し眼で、ちょいと盃を傾けて云った。
「アンタの四肢を切り落としたい、ここから一歩も歩けないように柱に縛り付けて釘で縫い留めて閉じ込めて、声ひとつ漏らさないように唇を塞いで嘗め回したい、ぐちゃぐちゃのどろどろに交わっていっそアンタのあれを食いちぎりたい」
 嗚呼、そう。
 流石にそれ全部を叶えてあげるのは無理っぽい。
(ていうかひとつって云ったじゃん)
 だからさ。
 まあここはひとつ、俺の心臓ひとつで手を打ちませんか。


(心ならあげるよ、幾らでも)
(Ha! 目に見えねえものなんざ糞喰らえだ!)

END
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