愛情鎖縛


 君はまるで乾いた砂のようだ。
 水が欲しい欲しいというように、与えられる愛情をすべて飲み干そうとする。
 これまでどれだけの愛情をその身に受けて来たのだろうか。君はまだ飢えているのだろうか。そこに俺を迎え入れる余地はあるのだろうか。
 あるのだろう。そしてそれでもなお君の心が満たされることはないのだろう。
 俺は砂漠に落ちた一滴の雫にしか過ぎないのだ。
「別れよう、政宗」
「な、んで」
 なのに、そんな顔をするから。俺はすべてを諦め切れない。


 君は知っているか。俺の中にも乾いた砂がある。君が欲しい欲しいと飢えている。
 俺を君の愛情で満たして。
 溺れ死ぬくらいに。

END
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