Second


 深夜0時の部屋。
 中央には清潔なベッド。
 防音の施されたそこは都会の夜の騒音から隔絶される。

 金がある。
(使いきれないほど)
 身分もある。
(他人が勝手につけたステイタスとやら)
 女に不自由したこともない。
(ただし好きになったことはない)
 ひとは多分俺を恵まれた人間だと云う。
(だけど)

 カチコチ。カチコチ。
 アナログな時計の針が時を刻む。
 ああ、静か過ぎる部屋が憎い。

 一秒、一秒、が。
 君がここにいない事を告げる終焉の音色。

END
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -