そして、鳥になる


 疲れた。ぴりぴりした職場、うまく行かない同僚とのやりとり、現場をわかってない上司。どうにか出来ないかと思いながら過ごす日々はかえってどうにもならない日々を生む。
 ネクタイを引き抜きベッドに倒れ込むと、どれだけ自分が疲弊しているのかを思い知る。もう指一本動かしたくない。
 こんな時いつもお前のことを考える。重く暗い瞼の裏に浮かぶ橙色の温もり。なんとかやって行けそうな気がするんだ。
(今から逢いに行こう、そして)
 身体はベッドから離れなかった。ただ想いだけを君に届けた。俺の心は鳥になれただろうか?

END
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