煩悩生体反応


 休日を除いて繰り返される生体実験。電車に乗り込みいつもの特等席に座る――ここから見る君の姿は格別――そうして君がこの実験に参加するのはここから9駅目。それまで読書で暇つぶし。
 ドアが開いた視界にオレンジ。16回前の実験から変わった君の姿は見つけやすいが少し気に食わない。元がカッコイイくせに目立ちすぎて、ほら、また別のやつが見てる。これは俺と君だけの実験なのに!
 俺を見もしない君に、じりじりと痛む心臓――好きだ好きだ好きだ――目が熱くなって俺は必死に本を読んでるふりをする。ああ、もう認めても良いかしら?――これは恋だって!――通算108回目の生体実験、君に――君だけに――反応あり。

END
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