※佐政前提、小太郎×政宗





「ちょっと……アンタ、なにしてんの……?」

 ――久しぶりに逢いに行った恋人は、浮気をしていました。

「Ah? あー、佐助じゃねえか」
 久しぶりだな。
「あ、うん、久しぶり……っじゃあなくてえええぇ! なにやってんのって聞いてんの! ていうか、それ誰!?」
 自室にごろりと横になった恋人は、あろうことか、男に膝枕をしてもらっていました。
 しかも、どう見ても忍び!!
「膝枕。で、これは小太郎。ほら、小太郎、あいさつ」
 政宗に言われた小太郎とか云う忍びが、俺様を見てぺこりと頭を下げた。
「Good、よく出来ました」
 へえ、ちゃんと躾てんだ。
 ……じゃなくてえええぇっ!
 頭を撫でられた忍びが、嬉しそうに政宗を見る。
 無表情だけど何かが漂って来る。
 ああああぁっ!
「浮気はしない約束でしょ!」
「はぁ? 浮気じゃねえよ」
「なにそれ、本気ってか!」
「……どうした、お前?」
「確かに会いに来れなかったよ! 久しぶりだよ! ぶっちゃけ二ヶ月振りだよ! でも仕事だったんだからしょうがないでしょ!」
「あー、まぁ落ち着け、な?」
「これが落ち着いてられますか!」
 青筋を立てる俺の前で、まだ膝枕を堪能している恋人をどうしてくれよう。
「ちぃせえこと云うなよ。嫌われっぞ。浮気じゃねえっつってんだろ?」
 なにその巻き舌!
 お行儀の悪い!
 すると政宗を膝枕している忍びがいやいやをして屈み込み、耳元で何かを囁いた。ほんとに喋ってるのか口を動かしているだけなのかは分からないが、政宗は忍びの云いたいことを汲み取ったように微笑んだ。
 うわ、なにそれ。
「政宗」
「なんだよ?」
「ほんとに浮気してない?」
「しつけぇな。してねぇよ」
「じゃあ、勿論ヤってないんだよね?」
「…………」
「…………」
「………………」
「……ま〜さ〜む〜ね〜ぇ」
 悪い子にはお仕置き!
 そう云って飛び掛かると、俺の恋人は憎いくらい綺麗に笑って俺を抱き留めた。
「OK、気が合うじゃねえか。小太郎にも云われたとこだ。まとめて済ますか?」

 皆さん、これが俺の恋人です!

END
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