──ねえ、気持ち良い?


 両足を肩に担ぎ上げ、思いのままに揺さぶる。
 政宗は声にならない悲鳴を上げて、身を捩ったが、佐助は逃げるのを許さなかった。細く引き締まった腰は、繊細な器官を拡げられ、乱暴に扱われていたが、やはり鍛えられた男だからだろうか、意外に頑丈だと、佐助は思った。
 もう何時間も、この行為に堪えているのだから。
「気持ち良いね、政宗」
 はぁ、と息を吐いて、佐助はうっとりと政宗を見た。佐助自身ももはや出すものもない程に出し尽くしていたが、政宗の中から出る気にはならなかった。
 ようやく手に入れた。
 後口は力を失い、佐助以上に放埒した雄は力を失っており、初めほど楽しめはしなかったが、それでも佐助にとっては手放せないものだった。
「何か云ってよ、政宗」
 ひときわ中を突くと、のけ反った喉が、くうと鳴った。
「可愛い、政宗」
 溢れ出た涙を、身を乗り出して舐め取った。
 いやいやをする政宗に、ぐっと愛情が増すのを感じ、佐助は穏やかに微笑んだ。
「愛してるよ、政宗……」
 心からの充足感を味わっていた。今、政宗に幸村の首を取って来いと云われたら、迷う事なく主をこの手に掛けるだろうと思った。
 残念ながら、今の政宗にはそんな事を云う余裕はないだろうし、考えることさえままならないだろうが。
「ねえ、政宗。俺のものになって?」
 俺も貴方のものになら、なっても良い。
 飼い殺してくれれば良い。
「だから、ね?」
 注挿を繰り返しながら、政宗の白い頬を優しく撫でる。
「泣かないで、政宗。泣かせたいわけじゃないんだよ?」
 びくびくと痙攣する身体を、優しく抱き起こして、膝の上に乗せた。優しく背中を撫でるが、一向に痙攣が止まらない身体に、佐助はようやく政宗が窒息しかけていることに気が付いた。
「ああ、ごめんね。苦しかった?」
 政宗の口を覆っていた帯を外し、口に詰めていた布を取り出した。
 ひゅう、と音がして、政宗は喘いだが、弱々しく胸を上下させただけだった。
「可愛いね、政宗。可愛い」
 優しく頬に口付ける佐助を、虚ろな目が、見た。
 何かを云おうと口を開けたが、戦慄くだけで言葉にならない。
「ん? なぁに?」
 ひび割れた唇に耳を寄せて。

 ────気違い

 と云うのを聞くと。
「ありがとう」
 俺も大好き。佐助は笑った。

END
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -