仏の顔


「別れよう」
 唐突な台詞に瞬きも出来ない――いま、なんて云ったの――まったくアンタはいつだって我が儘で自己中心的で傲慢で横暴で――けど、そんなところも全部ひっくるめて好きだった――いや、いまだって!――だけど、いきなりそれはない。
「ちなみに理由は聞いても良い?」
「んー、重い」
「え、」
「しんどい、」
「ちょ、」
「でも、ほんとは怖いんだ、好きすぎて。俺、どうしたらいい?」
 とりあえず俺様泣いてもいいですか――嬉しかったり、血の気が引いたり忙しかったものですから。それからまずは仲直りしよう――もしもこれが喧嘩だったとして!――でも、いいの、俺様の心は仏以上――だってこれが4回目!――君の心を繋ぎ止めるためだもの、鬼にも仏にもなりましょう。

END
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